ディズニーチャンネルは死んだ...8～13歳向けメディア経済圏が「いつの間にか消えた」理由

マイリー・サイラスとミッキーマウス、『ハンナ・モンタナ』のキャストメンバー　s_bukley-shutterstock

＜ニコロデオンやカートゥーン・ネットワークも見ない？──「R指定映画」もワンクリックで見られる時代の影響はα世代に大きな影を落とす＞

かつて「ディズニー・チャンネル（Disney Channel）」や「ニコロデオン（Nickelodeon）」といったテレビネットワークは、電波だけでなくプレティーンの心をも支配していた。

『ハンナ・モンタナ（Hannah Montana）』『スイート・ライフ（The Suite Life of Zack & Cody）』『iCarly』『ハイスクール・ミュージカル（High School Musical）』といったアメリカ発の作品は、8歳から13歳の視聴者（「トゥイーン（tween）」）を夢中にさせた。

そして、これらの番組は音楽キャリアや商品展開、さらにはグローバルなファン層を生み出し、一世代のカルチャーアイコンとなった。

あの頃の子供たちは今や大人になり、現在のプレティーン世代──いわゆる「α世代（アルファ世代）」は、2000年代後半のシットコムの再放送を見ているわけでもなければ、それに似た新番組を視聴しているわけでもない。

その代わり、彼らの多くは『ストレンジャー・シングス（Stranger Things）』や『ウェンズデー（Wednesday）』といったネットフリックス（Netflix）のシリーズを好んで見ている。これらの作品には10代のキャラクターが登場するものの、扱うテーマはよりダークだ。

また、『ラブ・アイランド（Love Island）』『ラブ・イズ・ブラインド（Love Is Blind）』といった恋愛リアリティ番組、YouTubeやツイッチ（Twitch）でのフィルターなしの配信を追いかける層も多い。

こうした変化はエンターテインメントの枠を超えて波及している。専門家によれば、プレティーン向けコンテンツの消失と、より年長のティーンや大人向けメディアの人気上昇は、テクノロジーとマーケティングの構造変化を反映しているという。

この環境で育つα世代には、長期的な影響が及ぶ可能性もある。