最新記事
映画

「入れ替わり系コメディー」は、やっぱり鉄板?...22年ぶり『フォーチュン・クッキー』続編の衰えない魅力

A Freaky Legacy Sequel

2025年9月12日(金)17時28分
デーナ・スティーブンズ(映画評論家)
『シャッフル・フライデー』体が入れ替わったことを知りパニックになる4人(バターズ、ローハン、カーティス、ハモンズ)

(左から)体が入れ替わったことを知りパニックになる4人(バターズ、ローハン、カーティス、ハモンズ) ©2025 DISNEY ENTERPRISES, INC. ALL RIGHTS RESERVED

<カーティスとローハンが続投。今度は3世代で入れ替わる映画『シャッフル・フライデー』は「ありがたい存在」──(ネタバレなし・レビュー)>

21世紀が始まる頃、母親と10代の娘が一緒に見るのにぴったりな映画が立て続けに作られた。どれも辛口のユーモアを利かせ、女性同士の絆を温かく描いたコメディーだ。

ナンシー・マイヤーズ監督の『ファミリー・ゲーム/双子の天使(The Parent Trap)』(1998年)に、マーク・ウォーターズ監督の『ミーン・ガールズ(Mean Girls)』(2004年)。

なかでも際立っていたのが、やはりウォーターズがメガホンを取った2003年の『フォーチュン・クッキー(Freaky Friday)』だった。


『フォーチュン・クッキー』予告編


何かというと衝突してばかりの母テス(ジェイミー・リー・カーティス)と高校生の娘アンナ(リンジー・ローハン)。その2人の体が、ある日突然入れ替わってしまう。

メアリー・ロジャーズによる1972年の児童小説『フリーキー・フライデー』が映画になるのは、これで3度目だった。

1976年にはディズニーがジョディ・フォスター、バーバラ・ハリス主演で映画化、1995年にはシェリー・ロング、ギャビー・ホフマンの共演でテレビ映画が作られた(その後2018年にはミュージカル映画も製作されている)。

愛する人を理解できなければ、相手の立場になってみるのが肝心だ、というのが作品に込められたメッセージ。10代の娘の母親として、このストーリーが脈々と愛されてきたのは心強い。体の入れ替わりを世代間の共感に至る道として描く発想には、いつの時代にも通じる賢さがある。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米との貿易戦争休戦、1年間延長で合意=中国商務省

ビジネス

現代自、第3四半期は米関税で29%減益 通期目標は

ワールド

ウクライナ、エネ施設への攻撃受け電力供給を制限=当

ビジネス

SMBC日興、7─9月期純利益は6割増 政策株売却
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中