ハワイゆかりの人々がハワイ語で語るハワイ王国の歴史劇...ドラマが描き出す「いま語られるべき歴史」とは?
Defending Traditions
カメハメハ大王のライバルである族長ケオウアを演じるクリフ・カーティス(共同プロデューサーにも名を連ねている)に言わせれば、「この作品の比類なき点は、脚本・監督・製作をハワイ出身のジェイソン・モモアとトーマス・パー・シベットが手掛け、彼らの祖先の物語をベースに描いていることだ」。
撮影の大部分はアオテアロア(マオリ語の「ニュージーランド」)で行ったが、「ロケ地には約25の異なる先住民族が暮らしていた。そういう人々に敬意を払うことが重要だった」と言う。
モリソンも、この作品は複数の文化的レベルで成り立っていると語る。「私たちは母なる大地とつながるために足を踏み鳴らし、天とつながる祈りをささげる。そういう大地のエネルギーをしっかり蓄えて演じたつもりだ」
出身地カウアイ島の文化を継承し、タロイモ農家を営んでいるマクアにとって、カメハメハ大王の役を演じることには葛藤があった。「もともと役者になる気はなかった。私の役目は地元の若者たちと一緒にいて、みんなに農業や文化を教えることなんだ」
だから当初は出演依頼を丁重に断った。「しかし天に祈り、長老たちと話し合い、『おまえでなければ誰がやる?』と言われたので決心した。そしてカメハメハ大王になり切るためにベストを尽くした」
しかも撮影現場では、可能な限りオレロ・ハワイ(ハワイ語)だけを話すようにしていた。「ほかの役者にも、早くこの言語に慣れ親しんでもらいたかった」からだ。