「クライミング」が世界中で大ブームに...体と頭を駆使し、心を鍛える「真のスポーツ」の魅力とは
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一方、トラッドクライミングでは、崖にボルトは設置されておらず、安全器具を自分で設置しながら登る必要がある。それでも「きちんとしたインストラクターとトレーナーの力を借りれば、100%安全だ。渋滞の道路で自動車を運転するより安全性が高い」と、ゲイイクバイウルでインストラクター兼ガイドとして働くボルカン・オズカンは言う。
安全器具の類いを用いずに登るフリーソロは、これとは全く性格の異なるクライミングだ。2018年にアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した映画『フリーソロ』では、クライマーのアレックス・オノルドが米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園にある高さ1000メートル近い巨岩エル・キャピタンに挑む様子を記録している。
過度に危険な行動を助長しかねないとの批判もあるが、オノルドのエル・キャピタン登攀はクライミングへの関心が高まった大きな要因の1つと考えられている。
もう1つの要因としては、五輪種目として採用されたことも無視できない。クライミングは、21年の東京五輪と昨年のパリ五輪に続き、28年のロサンゼルス五輪でも実施されることになっている。






