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「映画づくりもアルゴリズムの言いなりに...」アカデミー賞期待の話題作『ブルータリスト』が広げた独立映画の可能性

You Have to Be Inventive

2025年2月14日(金)14時38分
アレック・ネバラリー(ライター)

映画『ブルータリスト』場面写真 フェリシティ・ジョーンズ演じるエルジェーベト・トート

©DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVED. ©UNIVERSAL PICTURES

──台本を書く際、大物俳優がやりたいと思うような主要キャラクターを作ろうと考えたりはした?

みんなが魅力を感じるような台本を書きたいものだよね。衣装デザイナーにも、プロダクションデザイナーにもそう思ってもらいたい。彼らはいわば最初の観客なのだから。

とはいえ、私は戦略的な人間じゃないからすごく直感的にやっている。何かの手段として書いたり、作ったりしているわけじゃないんだ。


──予算の都合で工夫を迫られ、その結果、驚くほどうまくいった経験は?

『ブルータリスト』では、初めのほうの場面を本物の船の中で撮りたかった。でも撮影していたのが内陸国のハンガリーで川船しかなく、条件に合うものが見つからなかった。

そこで私は「駐車場の建物で撮ろう」と提案したんだ。「暗いから、いくつか舷窓を作ってそこから光が差し込むようにしよう。階段を上っていくような絵にすれば、船の内部みたいな感じを出せるはずだ」ってね。

幸い、実際にはやらないで済んだけれど、やったとしても絶対にうまくいったはずだ。こういう安上がりな方法が一番いい結果を出すこともある。昔はそんなふうに映画を作っていた。

映画製作の準備をしている間は、1920年代の映画をたくさん見るようにしている。あまり金をかけずにすごく工夫されているから。

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