最新記事
ウイスキー

台湾はトップ3、東京と香港は最重要、韓国でハイボール流行...ザ・マッカラン戦略担当者に聞く

2024年12月13日(金)19時35分
文:西田嘉孝 写真:伊達直人
ザ・マッカラン戦略担当者

ハイメ氏はスペインのマドリード出身。アジアでの暮らしは8年目になり、約5年前にエドリントン香港に入社した

<1824年の創業から今年で200周年を迎え、東京・原宿でアニバーサリーを記念したエキシビション「THE HEART OF THE SPIRIT TOKYO EXPERIENCE」をこの11月に開催したザ・マッカラン。世界最高峰のシングルモルトのアジア戦略について、エドリントン・グループの北アジア・マネージングディレクターを務めるハイメ・マーティン氏に聞いた>

――ハイメさんはエドリントン・グループの北アジア・マネージングディレクターとして、日本や香港、マカウや韓国などの市場を統括されています。近年はアジアでもシングルモルトが大人気になっていますが、それぞれの市場にはどのような特徴がありますか?

ハイメ 日本は我々のパートナーであるサントリーが100年も前からウイスキー造りを行ってきた国であり、常にアジアにおけるウイスキーカルチャーをリードしています。そんな日本に近い台湾でも、早くから高品質なウイスキーが飲まれてきました。

また、山﨑や白州、響といった日本のウイスキーが世界的に高く評価されています。両者に共通するのはスコッチタイプのウイスキーをベースに発展してきたものであること。そうした点からも、日本や台湾の人々のスコッチやシングルモルトに対する理解の深さが窺えますし、だからこそ日本でもこれだけザ・マッカランが愛されているのだと思います。

ザ・マッカラン

マッカラン シェリーオークシリーズは、主にヨーロピアンオークのシェリー樽で熟成されており、日本で販売される高級シングルモルトスコッチウイスキーの中で長年トップの地位を占めている

――対して、ハイメさんが拠点とされている香港はどうでしょうか?

ハイメ 香港もとても魅力的な市場です。世界の富裕層が集まる香港のウイスキー市場は、量的な規模は小さいものの日本や台湾を凌駕する超プレステージ市場です。高価なウイスキーの人気は高く、特にザ・マッカランのような伝統とクラフトマンシップを備えたブランド力の高いウイスキーとの親和性はとても高いものがあると感じています。

また、香港にはサザビーズのような著名なオークションハウスもあり、特に高級ウイスキーの市場はとても活気づいています。また、韓国でも昨年頃から本格的なウイスキーブームが起こり、ソジュ(韓国焼酎)からウイスキーのハイボールに移行する人たちが増えています。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、4.4万件増の23.6万件 季

ビジネス

中国経済運営は積極財政維持、中央経済工作会議 国内

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利を維持 米関税引き下げで経済見

ビジネス

EU理事会と欧州議会、外国直接投資の審査規則で暫定
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 3
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中