『ザ・ボーイズ』がくれた「イケメン俳優」像を笑いものにする機会...『ゴシップガール』の型を破って
Shedding His Pretty-Boy Image
『ゴシップガール』のイメージを拭い去ってコメディー映画にも出演 ROBIN L MARSHALLーWIREIMAGE/GETTY IMAGES
<堕落したスーパーヒーロー「ディープ」を演じるチェイス・クロフォードが、「超クレイジー」なドラマの魅力と俳優としての新境地を語る──(インタビュー)>
スーパーヒーローが邪悪な存在になったら? そんな疑問に答えを出そうとするのが、アマゾンプライム・ビデオのドラマ『ザ・ボーイズ』だ。
同名のコミックが原作。「常識外れの原作の本質を生かしながら、ドラマ作品として成立しているのがすごい」。第4シーズンが配信中の本作で、堕落したスーパーヒーローの1人、ディープに扮するチェイス・クロフォードはそう話す。
「(核にあるのは)絶対的な力は徹底的に腐敗するという考え方。そうした力を持つスーパーヒーローが現実社会で何をするかと問いかける」
人気テレビドラマ『ゴシップガール』に出演して有名になったクロフォードは、ディープを演じるチャンスに飛び付いた。付きまとう「素敵な青年」というイメージを笑いものにする役柄だからだ。「この手の役は頻繁には巡ってこない。それに、自分自身を笑うユーモアのセンスが必要だと思う」
「超クレイジー」な作風にもかかわらず、『ザ・ボーイズ』が現実感を失わないのは、企画・制作総指揮のエリック・クリプキのおかげだという。「スーパーヒーローもののレンズを通して、現実の問題について語ろうとしている。素晴らしい試みだよね」
本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
──本作は新鮮さを失わない。
最も重要な点は意外性だ。以前のシーズンを見ていなくても、すぐ作品に入り込める。(ほかのドラマには)スーパーヒーローをめぐる伝統的なストーリーがあり、どこか型どおりだ。このドラマは、とにかく超クレイジーだから。
──独特のスーパーヒーローだ。どうやってディープを共感できる人物に保っている?
大変だよ。クリプキがいつも言うように、僕たちは彼らをグレーゾーンにいる存在にしたい。それが、彼らの本質だ。ひどい人々だから名誉挽回する気はないけど、その在り方をのぞき込みたい。
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