最新記事
MLB

大谷翔平の経済効果は457億円、1年でほぼ倍増...希代のMLBスターが動かすお金は「桁違い」

THE OHTANI EFFECT

2023年10月11日(水)14時50分
宮本勝浩(関西大学名誉教授〔理論経済学〕)

では今年、負傷の末に手術のためシーズンを終えた大谷が、24年に動かす額の見通しはどうか。来シーズンは打者に専念するため二刀流は25年までお預けだが、打者として超一流の長打力と走力を発揮するはずで、ファンの人気も依然として高い。努力家でストイックな性格であり、負傷から不死鳥のようによみがえって大活躍する日が来ることを筆者は信じている。恐らく、24年の経済効果は21年と22年の中間に当たる350億円前後に落ち着くのではないか。

抜群の実力と紳士的な人柄でファンから絶大な人気を誇る大谷は、スポーツ選手として比類なきレベルの経済効果を生み出している。

熱狂が生み出す大谷マネー

<年俸、グッズ売り上げ、CM出演料...いずれも破格の水準に到達。二刀流で大活躍する大谷は経済効果も桁違いだった>

61億976万円

「大谷効果」による観客増に伴う消費額――大谷の出場時は欠場時に比べて計63万1174人のファンが増加。米メディア「マネーワイズ」が発表した4人家族による球場での消費額を参考に算出した

約43億4000万円

2023年の年俸

350億円前後

2024年の経済効果――ケガからの早期復活が待たれるなか、今後結ぶであろう複数年契約や打者としての実力、ファン人気を考慮して、経済効果は大きく落ち込まないと想定

約12億8400万円

日米での大谷グッズの売上高――アメリカでは約9億8400万円、日本では約3億円と仮定

457億941万円

2022年の経済効果――年俸やスポンサー契約料、CM出演料に加え、ファンによるチケット代や飲食費、グッズ購入代などを総合的に分析

約12億円

応援ツアーの売上高――日本からの応援ツアー参加者を約4000人、1人平均約30万円と仮定

約2億円

日本のCM出演料

約10億8000万円

スポンサー契約料――2022年のスポンサーは9社、1社平均1億2000万円と仮定。写真の大谷が着用している「ヒューゴ・ボス」もその1社

約69億4800万円

MLB放映権収入への貢献――MLBがNHKから得ている放映権収入は約8000万ドルで、そのうち約6割が大谷の人気によるものと想定

※数字は2023年の年俸と2024年の経済効果以外は全て2022年のもの

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米の日鉄投資計画承認、日米の経済関係強化につながる

ワールド

米空母、南シナ海から西進 中東情勢緊迫化

ビジネス

ECB、政策の柔軟性維持すべき 不確実性高い=独連

ワールド

韓国、対米通商交渉で作業部会立ち上げ 戦略立案へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中