台湾、警戒態勢維持 中国は演習終了 習氏「台湾統一止められない」
台湾沿岸警備隊の巡視船、基隆港で30日撮影 REUTERS/Ann Wang
Yimou Lee Liz Lee
[台北/北京 31日 ロイター] - 台湾は、中国軍による台湾周辺での大規模軍事演習を受け、31日も警戒態勢を維持した。中国は同日遅くに演習の終了を発表したが、台湾は引き続き厳戒態勢を維持し、戦闘態勢の強化を図ると表明した。
中国の習近平国家主席はこの日、新年に向けた恒例のテレビ演説で、台湾海峡「両岸の同胞は血のつながりは水よりも濃い。祖国統一という歴史の流れは止められない」と述べ、台湾の独立を求めているとみなす動きに対する警告を改めて表明した。
台湾国防部(国防省)は、過去24時間に中国軍用機77機と海軍・海警局船25隻が台湾周辺で活動していたと発表した。そのうち35機が台湾海峡の中間線を越えたという。
声明で「中国共産党の攻撃的かつ軍国主義的な挑発行為は地域の安全と安定を脅かすものであり、国際社会の民主主義同盟国から非難されている」とした。
さらに、依然として相当数の中国の航空機と艦艇が対応地域に存在しているため、「適切な緊急時対応メカニズム」を維持すると述べた。詳細は明らかにしなかった。
中国の国営新華社は、演習から得られた「3つの重要点」の記事を掲載。人民解放軍国防大学の張馳教授の発言を引用し、模擬「包囲」演習は人民解放軍が「外部からの介入を阻止しながら分離主義勢力を圧迫し封じ込める能力、つまり『内部を封鎖し外部を遮断する』アプローチ」を実証したと説明した。
米シンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズのアジア研究責任者であるライル・ゴールドスタイン氏は、中国軍事演習が激化しているが、北京が自国の評判を犠牲にしてまで戦争を始める可能性は低いと指摘。「脅しや威嚇を多く行うが、(戦争は)最終的に中国に非常に大きな代償を伴う」と述べた。





