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元ジャニーズJr.の橋田康「問題と向き合う、事務所の決断を応援したい」

2023年10月12日(木)11時45分
大橋 希(本誌記者)

元ジャニーズJr.の橋田康

「この問題に関しては、未来を変えていくためにどうするかが一番重要」と語る橋田

──橋田さん自身も5月末、被害者に向けた連絡窓口を設定した。そこに相談した被害者(木村伸一さん)の情報を事務所につないでいない、という報道もあったが。

僕に連絡をくれた被害者の方たちの個人情報がほかに漏れないように、しっかりとジャニーズ事務所本体に届けなくてはいけない。それには安全性と、個人情報がどういう経路で回っていくのかをしっかり確認できて、本人の承諾を得てからではないと無理だと思っている。

記事にあったように、4カ月放置なんかしていない。(自身の)記者会見などもあって1カ月くらいは連絡が止まっていたが、その後も木村さんとは連絡を取っている。後ろめたいことは何もない。

 

もしスピード感など納得できないのであれば事務所と直接やり取りしてもらったほうがいいかもしれない。ただ、僕にお願いしてくれた人たちのことはとにかく守りたい。彼らが傷つかないで、不安にならないで、プライバシーを守られた上で事務所につながるようにしたい。

──5月に藤島ジュリー景子さん(当時は社長)と面会した。その時の印象では、性加害について本当に知らなかったと思うか。

噂程度では知っていて、それは「私の中では『知っていた』という線は超えてない」という感じだった。ジュリーさんは役員だったので別かもしれないが、タレントに関してはそこを言及し続けてもしょうがないのかなと思う。

東山さん、井ノ原さんも「見て見ぬふりをしていた」と公言している。でも、どこまで知っていたか、どういう被害があったのかということは、1人1人のプライバシーにかかわるもの。僕は「言う」と決めたから言っているけど、「言う」と決めていない人にまで強要することはおかしい。その人たちは守られるべきだから。

でも、止められなかったということで考えれば、加害者になるかもしれない。それは僕も一緒。13歳で被害を受けて、18、19歳まで事務所にいた。その間に助けられた人は必ずいたのに助けられなかった。そう言ってしまったら、いま声を上げている被害者もみんな加害者。そこを詰めていってもしょうがない。

ジュリーさんが、ジャニーさんや(藤島)メリーさんと距離を取っていたのは確かなんです。僕もジュリーさんには事務所で一度くらい挨拶したことはあったけど、7年、8年の中でもほとんど会ったことがない。

──現役のタレントたちもみんな噂ぐらいは知っていたと思うが、この問題について発言する人と発言しない人がいる。

自然なことだと思う。やっぱり夢を売る人たちだし、ファンを守らなきゃいけないから。もしも「性被害を受けたけど、受けてないことにする」と本人が決めたなら、それが正解なんだと思う。この問題の闇はあまりにも深すぎる。

僕はもうアイドルじゃない。ジャニーズ事務所にいたことに誇りは持って、感謝もしているけど、そこを売りにしているわけじゃない。だから顔を出して名前を出して言う、という行動を取れた。この問題に関しては、未来を変えていくためにどうするかが一番重要で、被害を受けたか、受けなかったか、自分のことにどこまで言及するのかは本人たちの自由。本人たちが決めて、それを周りが尊重してあげるべきだと思う。

──東山新社長は黙認していた側だ、と追及する声もある。

あくまで僕の中では東山さんはトップアイドルで、夢を売るタレント。ただ今後、この罪に向き合う場に就いただけ。事務所が事実と認めて謝っている以上、知ってた、知らなかったという部分は彼のプライバシーであり、彼の家族も含めて傷付かなくてはいけないような状況に追い込む必要性はどこにもないと思う。

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