最新記事
日本社会

元ジャニーズJr.の橋田康「問題と向き合う、事務所の決断を応援したい」

2023年10月12日(木)11時45分
大橋 希(本誌記者)

──身の危険を考えることもあった?

ありました。「お前、もう芸能界でやれないね」とか 「命危ないんじゃない?」といった連絡はいっぱい来ました。僕だけじゃなく、関心を持った人たちもいろいろな想像をしたと思うし、昔の芸能界だったら実際に(身の危険にかかわることが)あったかもしれない。ジャニーズ事務所はやっぱり巨大過ぎて、力を持ちすぎていて、そういう噂が独り歩きしてしまうのは仕方ないことかなと思う。

──記者会見で東山紀之さんや井ノ原快彦さんは、「SNSなどで被害に遭われた方々への誹謗中傷はやめてください」と繰り返している。橋田さんも傷付いたと思うが、心の部分は大丈夫だったか。

大丈夫じゃないですよ。X(旧ツイッター)やインスタなどで、誹謗中傷は今でも来る。ジャニーズを擁護しているとか、被害者のわがままだとか、いろんなことを言われる。ジャニーズを応援したい人たち、ジャニーズを潰したい人たち、性暴力の被害者の人たち、社会をよくしたいと思っている人たちも含めて、いろんな方向から誹謗中傷が来るんです。

 

それはほかの被害者の方々にも来ているだろうし、事務所にいるタレントさんたちへの誹謗中傷もまだまだあると思う。本当にさまざまな意見があるだろうが、繊細な問題であるし、誰かを傷付けないように配慮してほしい。

──9月半ばに設けられた被害者救済委員会の窓口には478人の申し出があり、うち325人が補償を求めている。この被害者の数には驚いた?

驚きました。先日の記者会見で、11月から補償をスタートすると発表されたが、補償受付窓口の申し込みフォームはそれ以前にできた。今の時点では、安全もプライバシーの守られ方も分からない、「ここに書き込んで本当に大丈夫?」という状態だが、それでも既に478 人が申し出ている。

「対応してもらい、救われました。これで前を向いて生きていけます」という人が1人、2人出てきて状況が整えば、「俺は心に留めておきたかったが、少しでも救われるなら」と、被害申告する人は必ず出てくる。そこで数はぐっと増えるだろう。今の人数がこれだったら、何千人になるんだろうと思う。

──受付フォームではいろいろな個人情報を書かなければならない。その情報が誰に渡るのか、事務所の誰が見るのか分からないのはかなりのプレッシャーではないか。

ある程度の個人情報は必要だが、それがどういう経路で誰が見て、どう守られるという具体的な部分が、記者会見では全く説明されなかった。「心のケア相談窓口」の対応もずさんだと報道されていたが、それと何が違うのか分からないので僕もまだ入力していない。

これで救済に当たっていくのであれば、例えば僕が実験台になるなど、「対応はこうでした、ああでした」と具体的に言える人間がいないと、安心に繋がらないと思っている。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ南部、医療機関向け燃料あと3日で枯渇 WHOが

ワールド

米、対イスラエル弾薬供給一時停止 ラファ侵攻計画踏

ビジネス

米経済の減速必要、インフレ率2%回帰に向け=ボスト

ワールド

中国国家主席、セルビアと「共通の未来」 東欧と関係
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    習近平が5年ぶり欧州訪問も「地政学的な緊張」は増すばかり

  • 4

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 5

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 6

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 7

    迫り来る「巨大竜巻」から逃げる家族が奇跡的に救出…

  • 8

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中