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マッシが分析。コーヒーゼリー、あずきバー、タココロッケ...日本人は食材を生かす天才だ

2022年8月3日(水)16時20分
マッシ(マッシミリアーノ・スガイ)(日伊通訳者、金沢在住)

例えば、あずきなどの豆を使ったスイーツ。イタリア人は「え? 豆は料理に使うものじゃないの?」と不思議がるが、そんな豆を日本人は甘く煮てアイスからビスケットまで、さまざまな形に変化させてしまう。

桜餅も同じだ。イタリアでは桜といえばさくらんぼ。まさか桜の花や葉っぱをスイーツに変化させるなんて......! 僕はいつも一口目から涙が出てしまう。こうした工夫から、食文化の壁が少しずつ薄くなるのだ。

組み合わせ自由なサイゼリヤ

和菓子はひとたび食べられるようになれば、もはや洋菓子を食べなくなるほど病みつきになるはずだ。

ただ、抹茶やあんこが苦手な外国人にとってはハードルが高いだろう。そこで、不慣れな人も楽しめる商品としては、あずきバー、あんぱん、雪見だいふく、抹茶ティラミス、スイートポテト、しるこサンドなどのスイーツが非常に優しい。

食材を組み合わせて安心できる形に加工すれば、見たことのない食べ物でも味が知りたくなるし、受け入れやすい。

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NEWSWEEK JAPAN

僕はイタリア人だから、イタリア料理にうるさいでしょうと言われることがある。だが、僕がこだわるのは味ではない。「楽しい場所で笑顔でおいしく食べる!」ということだ。

その点で言うと、僕も含め多くのイタリア人が喜ぶ日本のチェーン店は、サイゼリヤだ。たくさんの料理を組み合わせて、気分に合ったカスタマイズができるし、まるでイタリアにいるような気分になる。

僕がおすすめするサイゼリヤのカスタマイズはブルスケッタだ。日本人にとってミニフィセル(細長いパン)とチーズや生ハム、サラダなどのメニューは基本的には別々に食べるという考え方だろう。ところが、イタリア人らしくミニフィセルに好きな具を載せて食べると、まるで自分もイタリア人になったような気分を味わえるのだ。

もちろんサイゼリヤの良さはそれだけではない。店内で流れる音楽、インテリア、色使いはまるでイタリアのレストランにいるような気分になれる。場の雰囲気から気持ちまで、イタリアに引っ張られる。そして組み合わせの自由さがあるから、初来日の人でも最高の思い出をつくることができるだろう。

食の組み合わせや工夫は、日本の食文化にとってなくてはならないものだ。この豊かな食文化の中で育ってきた日本人を羨ましくも思うが、外国人である僕はこれを、神様から日本への招待状をいただいたような気持ちで受け止めている。

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マッシ(マッシミリアーノ・スガイ)/日伊通訳者、金沢在住。著書に『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)がある

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