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ホラー映画の「怖さスケール」を独自開発!新作映画の怖さを測定すると...

Scarier Than the Original?

2021年6月18日(金)11時48分
サ ム・アダムズ(スレート誌映画担当)

ミイラ化した遺体もたくさん登場する(あるシーンでは電車1両分も出てくる)。けれども中学校の文化祭のお化け屋敷のようで、夢にまで出てきそうなクオリティーとは言えない。

前作は終末的風景の不気味さを見せながら、その世界のいくつかの謎を観客に解かせる作りになっていた。主人公一家が声を出せない状況にいて、身ぶり手ぶりのやりとりしかできないことから成立した見せ方だ。

今作では変わり果てた世界に残るかつての日常の痕跡に寒けが走るような不気味さはあるが、謎解き要素は少ない。むしろ、アクション映画っぽい。その点に貢献しているのは、アクションヒロインへと成長した一家の娘役のミリセント・シモンズだ。

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ホラー映画よりコロナの現実が怖い?

本作がどれくらい怖いと感じるかは、以下の2点に左右される。1つは、子供が危険にさらされる状況をどれほど怖いと思うか。もう1つは、驚かせるタイプの「ジャンプスケア」的な演出にどれだけ耐性があるかだ。

暗がりから化け物が叫びながら飛び出してくるような描写がお好みなら、おすすめできる作品だ。しかしコロナ禍のせいで、どんな映画よりも映画館に行くという行為自体が怖いものになってしまった。そのあたりを踏まえれば、この作品にはもう2〜3点加えてもいいかもしれない。

©2021 The Slate Group

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