最新記事
BOOKS

「問い」を立てる力が人生も懐も豊かにするのはなぜ?

2025年4月18日(金)16時50分
ケリー・チェ

正しく〈問う〉力を身につける

私たちの運命は質問の仕方にも大きな影響を受ける。まともに訊けないなら、訊かないほうがましだ。問題だと思うことについて答えを探すためには、きちんとした〈問い〉を立てる習慣を持つべきだ。

私の幼少期がいかに貧しかったか、ご存じのはずだ。私は、苦しく厳しかった頃を思い浮かべ、一度その点について〈問う〉てみた。「私の短所をどうすれば、長所に変えられるのか?」「恥ずべき自分の過去でも誰かの力になり得るか?」「どうすれば自分のノウハウを誰かに伝えられるか?」。

質問を続けていくと、私を再び生かしてくれた母への思いを切り離すことはできなかった。だからすぐに質問した。親として学もなく、手にしたものもない。いつもすまないと言う母に、どうすれば私たちを生んだことの素晴らしさを認めてもらえるのか? 母へ感謝していると100回伝えても、真面目に受け取ってくれはしない。いいアイディアはないだろうか?

「問い」の力で大切な人が自信を持てた

解決策として、母と一緒に『朝の広場』というKBSの長寿番組のトークショーに出演することにした。また、本を執筆してベストセラー作家になった。すると母は小さな町内で有名人になり、町内会長、町長、市議会議員、国会議員、さらに町内の市場の人たちや親戚まで、どうやってこんな娘を生んで育てられたのかと、母に尋ね始めた。ついに母も「申し訳なかった」という言葉ではなく「私の子育てもあながち間違っていなかったみたい」と思ってくれたのか、私の幼い頃の話をし始めた。

時々、前触れもなく難題を突きつけられると、閉口してしまう。しかし、答えがないのではなく、まだ答えが見つからないだけだと考えてほしい。この困難を切り拓く答えをまだ知らないだけだと。だが、きっと答えはある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の訪ロ招待「検討中」、現時点で準備ない=

ビジネス

FRBの金融政策「適切」、労働市場巡るリスクを警告

ビジネス

FRBの独立性に対する脅威は「非常に深刻」=英中銀

ビジネス

英財務相、11月26日に年次予算発表 財政を「厳し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 7
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 9
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中