最新記事
セカンドキャリア

早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

2024年6月10日(月)17時53分
松田 小牧(ライター)*PRESIDENT Onlineからの転載

民間はシビアだ。自衛隊生活の中で部下の隊員をまとめあげ、さまざまな活躍を見せたところで、それがイコール「民間企業で即戦力として認識されるスキル」にはならない。

また、確かに、求人の数はある。ただ企業としては、「『給料は落としたくない、休みはほしい』と希望する自衛官がいるが、給料を落としたくないならキツい仕事しかないし、休みがほしいなら給料は我慢しなければならない。自衛官はその意識が薄い」との本音も漏らす。

【自分の価値はそんなものか...】

55歳で750万円あった年収が、その翌年には200万円になる。同い年で普通の企業や自治体に勤めている人間はもっともらっている。年金まではまだまだ......。これは正直、しんどい話である。

ある元自衛官はこう話す。

「退官したとき、もちろん若いころに比べれば多少の衰えはあるものの、まだまだやれると思っていました。再就職して、慣れない職場、慣れない仕事、慣れないビジネスマナーを乗り越えて、年収250万円。

退官してからはじめて気づきましたが、私は700万円程度の給与をもらうことで、『自分はそれだけの価値がある人間だ』と無意識のうちに思っていたのだと思います。それがガクンと下がったことで、『これだけ頑張っても、自分の価値はこんなものなのか......』と非常にショックを受けました」


newsweekjp_20240610083902.png松田小牧『定年自衛官再就職物語』(ワニブックス【PLUS】新書)(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg




ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

バフェット氏、バークシャーCEOを年末に退任 後任

ビジネス

OPECプラス、6月日量41.1万バレル増産で合意

ビジネス

日本との関税協議「率直かつ建設的」、米財務省が声明

ワールド

アングル:留学生に広がる不安、ビザ取り消しに直面す
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 4
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    なぜ運動で寿命が延びるのか?...ホルミシスと「タン…
  • 8
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 9
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 10
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中