最新記事

インタビュー

起業家けんすうが10年以上勧めてきた1冊の本

2018年11月26日(月)16時00分
今井順梨

とはいえ1度の失敗で心が折れてしまい、再チャレンジできなくなってしまう人も多い。


失敗は僕も嫌ですけど、実害のある失敗をしたことがある人ってほとんどいないと思うんです。それに「あいつはあんな失敗をした」とか、他人の失敗を何年も覚えてる人っていませんよね? だから失敗しないことよりも、チャレンジをやめて日々快適に楽しく過ごせないことのほうがリスクが大きいと思います。

誰もが体の健康を気にするけど、心って一度病んだだけで何年もダメージを食らうので、体の健康以上にリスクが高いんです。だから毎日嫌な会社に行って嫌な仕事をして心を病むぐらいなら、少しぐらいの不安があっても嫌なら辞めてもいいと思うし。

「会社を辞めても何をしていいか分からない」という人も多いが、けんすうさんなら彼らに、どんな言葉をかけるのだろうか。


よく僕が例に出す「数えるブログ」っていうのがかつてあったんですけど、これは「あの自販機のジュースの本数は42本です」とか、あらゆるものを数えるだけのブログで。何のリソースもなくてもできるのに、誰もやってこなかったことを形にしたので、当時ちょっとだけ人気があったんですよ。

アイデアってこういう、すぐ近くにあるけれどそれまで見えていなかったものにいかに気づけるかだと思うんです。もし今僕がブラック企業に勤めていたら、上司との会話を録音しまくって公開して、それで稼ぐと思いますし(笑)。

あとは今40代、50代であったとしても、20代より劣っているということは決してありません。集中力は40代、言語能力は50代がピークといったように、年齢によってピークの能力がある。そのときの自分に合わせた形で新しいことをやればいい。

知恵や知識も確かに大切だけど、実際に動くことができればうまくいく。でもほとんどの人が分かっていても動かない。だから「『動く』ってハードルさえ乗り越えれば、あとはチョロい」って言いたいですね。

「お金と幸せは直結しないし、やりがいのない仕事はAIが解決するから、これからは好きなことを仕事にしないときつい時代になる」と、けんすうさんは未来予想をする。

その「好きなことを仕事にする」ためのツールとしても、『考具』はきっと役に立ってくれることだろう。

kougu_series_20200515.jpg
[Kindleまとめ買い]考具シリーズ
 CCCメディアハウス

kougu_cover_20200515.jpg
考具
 加藤昌治 著
 CCCメディアハウス


202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中