最新記事

投資の基礎知識

投資家が夢見る、大化けする銘柄「テンバガー」の見つけ方

2017年9月15日(金)10時20分
岡田禎子 ※株の窓口より転載

beer5020-iStock.

<「テンバガー」は、株価が10倍に跳ね上がる株(10倍株)のこと。誰もが夢見るが、実は意外と身近な存在だ。どんな銘柄が大化けしやすいのか>

「テンバガー(10倍株)を見つけるには、まず自分の家の近くから始めることだ」――これは、アメリカの伝説的なファンド・マネージャー、ピーター・リンチの言葉です。投じたお金が10倍に膨れ上がるなんて、投資家なら一度は夢見るでしょう。でも実は、身近なところにこそ「テンバガーの卵」が隠れているのです。

第二のユニクロを探せ!

誰もが知っているテンバガーたち

日本を代表するテンバガーといえば、「ユニクロ」のファーストリテイリング<9983>です。1998年11月28日のユニクロ原宿店オープン当日、筆者は開店前の大行列に並んだひとりでした。

当時のユニクロを象徴する「フリース」が、オープンと同時に飛ぶように売れていきました。ひとり2枚や3枚は当たり前といった様子で、次々に買い物カゴに放り込まれていく様子を見て「ものすごい会社だ!」と驚いたことを、いまでも鮮明に覚えています。

と同時に、こんな悔恨の声が頭の中に聞こえてきます。「あのとき、ユニクロ株を買っておけば......」。同社の株価は、1998年の安値から、2015年7月には約236倍に上昇しました(本記事ではすべて株式分割・統合など調整後の株価で算出しています)。

kabumado170915-chart1b.png

ほかにも、ヤフー<4689>、ニトリ<9843>、「すき家」を展開するゼンショー<7550>など、いまでは誰でも知る企業も80倍を超えるテンバガーとなりました。このことからも、テンバガーは必ずしも「大穴」ではないことがわかります。

10倍に「大化け」する株

「テンバガー(ten bagger)」とは、株価が10倍に跳ね上がる株(10倍株)を指します。もともとは野球用語で、「1試合で通算10塁打」という大記録を達成することを意味していました。それが、ウォール街で「株価が10倍に大化けした株」という意味で使われるようになったと言います。

この言葉を世に広めたのは、先のピーター・リンチ。米大手運用会社フィディリティの「マゼランファンド」を1977年から13年間運用し、2000万ドルだった資産を140億ドルへと育て上げた伝説のファンド・マネージャーです。

過去5年のテンバガーは46銘柄

下の表は、日本で過去5年間にテンバガーとなった銘柄のリストです。実に、46銘柄がテンバガーとなっています(2017年6月時点で集計。株式分割・統合など調整後の株価で算出)。

kabumado170915-chart2b.png

●テンバガーになる銘柄の傾向とは?

これら実際にテンバガーとなった銘柄を分析すると、次のような傾向があることがわかります。

・時価総額が300億円以下の中小型株
・上場から10年以内の企業
・低い株価で推移していた低位株
・新興の産業やベンチャー企業
・旬のテーマや話題性のある企業
・業績が急拡大、または急拡大が予想されるもの

業種としては、サービス業、インターネット通信業、IT関連企業に多いと言えます。

●時価総額300億円以下の中小型株を狙え!

企業のサイズ(時価総額)は株価の動きに大きく影響します。時価総額は「株価」に「発行済株数」をかけて算出します。

時価総額が大きいとあまり値動きがなく、小さいほど値動きは大きくなります。このことは、時価総額が20兆円を超えるトヨタ自動車<7203>の株価が、いきなり2倍、3倍にはならないことを考えれば理解できるでしょう。

特に小型株は、「浮動株(市場に幅広く流通して常に売買されている株)」が比較的少なく、大型株よりも上昇する可能性が大きくなります。市場に流通している株数が少ないために、株価上昇につながる材料があると一気に品薄状態となり、株価が10倍、20倍と大きく膨れ上がるためです。

そのためテンバガーを狙うなら、東証1部上場銘柄ではなく、東証2部やマザーズ、ジャスダックに上場している中小企業で探すことをお勧めします。

(参考記事)時価総額から見えてくる意外な事実 プロは常にここを意識している

ではここからは、実際にテンバガーとなった銘柄を例に、大化けしやすい傾向について詳しくひもといていきます。

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、コロナ対策阻止へ 民主党が郵便投票資金

ワールド

食品流通とコロナ感染関連示す証拠なし、WHOが中国

ビジネス

コロナ禍、単親世帯を直撃 「子どもが食事抜く例も」

ビジネス

アングル:中国企業の米IPO意欲衰えず、上場廃止の

MAGAZINE

特集:人生を変えた55冊

2020-8・11号(8/ 4発売)

コロナ自粛の夏休みは読書で自分を高めるチャンス──世界と日本の著名人が教える「価値観を揺さぶられた本

※次号は8/18(火)発売となります。

人気ランキング

  • 1

    バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候補ハリス指名の意味

  • 2

    「元徴用工」の主張に違和感を感じる人たち

  • 3

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

  • 4

    マオリ語で「陰毛」という名のビール、醸造会社が謝…

  • 5

    李登輝前総統の逝去報道──日韓の温度差

  • 6

    新型コロナワクチンが開発されても、米国の3人に1人…

  • 7

    日本初のアフリカ人学長が「価値観」を揺さぶられた5…

  • 8

    中国、飲食店でエクアドル産冷凍エビの包装から新型…

  • 9

    韓国・文在寅の支持率9カ月ぶりの低水準に ソウル住…

  • 10

    「韓国・文在寅の最低賃金引き上げは失策」説を信じるな…

  • 1

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 2

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 3

    トランプTikTok禁止令とTikTokの正体

  • 4

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪…

  • 5

    『レオン』が描いた少女の性と「男性目線」

  • 6

    李登輝前総統の逝去報道──日韓の温度差

  • 7

    陽性者急増、名古屋の医師が懸念する「市中感染」の…

  • 8

    バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候…

  • 9

    アメリカ北東部でコロナ感染が沈静化しているのはな…

  • 10

    日本人の「集団主義」「同調圧力」には良い面も悪い…

  • 1

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 2

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 3

    中国から米国に「謎の種」が送りつけられている......当局は「植えないで」と呼びかけ

  • 4

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 5

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 6

    宇宙観測史上、最も近くで撮影された「驚異の」太陽…

  • 7

    アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判──二階…

  • 8

    戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路

  • 9

    中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗…

  • 10

    【独占】押谷仁教授が語る、PCR検査の有用性とリスク…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月