「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税」...なぜ他国には真似できない?
後継者は株式の支配権を握る前に移住することも多い。現在シンガポールに住むローレンス・オドフィエル氏は、もしノルウェーにとどまっていたら、リーマン・ショック後の景気後退期に一族の海運会社の支配権を失っていたかもしれないと振り返る。
「資本不足が原因で私の代で会社を沈めるわけにはいかなかった」と同氏は語る。
ノルウェー式は他国も採用可能なモデルか?
いまのところ、ノルウェー式の道を進もうとする国は現れていない。
フランスでは、1億ユーロ超の資産に対し2%を課すという注目の構想が議会で退けられた。代わりに導入されたのは、持ち株会社に滞留する個人資産にだけ狙いを絞った、より限定的な課税で、見込まれる税収は、せいぜい10億ユーロ程度にとどまる。
英国では労働党政権が正式な富裕税の導入を否定しているが、今後も「最も資金力のある」人々に圧力をかけ続けると主張する。
一方、イタリアは相続税の値上げには依然として慎重だが、裕福な外国人に対する一律課税の制度をひそかに厳格化しつつある。
一方、億万長者たちは引き続き、行動で意思表示をしている。富裕層の移住コンサルティングを手がけるヘンリー・アンド・パートナーズと、公開情報を基にデータを作成するニュー・ワールド・ウェルスによると、ノルウェーは今年中にさらに150人の富裕層を失う見通しだ。人口わずか560万人の国にとっては無視できない数だ。





