「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税」...なぜ他国には真似できない?
反対派の主張:資本流出とスタートアップへの萎縮効果
一方で批判派は、このモデルが国内資本による所有を不利にし、ノルウェーの起業家基盤を空洞化させかねないと警鐘を鳴らす。
「この富裕税制度は、ノルウェーの企業が世界の競合と戦うことを難しくしている」と語るのは、魚油サプリメントで財を成し、最近スイスに移住したクヌート・エリク・カールセン氏だ。
ノルウェーはスイスと異なりキャピタルゲインにも課税し、労働への課税も経済協力開発機構(OECD)の平均より高い。
プリンストン大学の研究者クリスティン・ブランドル氏によれば、出国者の約4割がビジネスオーナーであり、最新の税制変更によってノルウェーの長期的な生産量は1.3%押し下げられる見通しだ。ほかの研究者も、富裕税が企業の業績を損なうとの予測を示している。富裕税は、とりわけスタートアップの創業者にとって痛みが大きい。まだ利益が出るはるか前から、保有する資本について納税しなければならないからだ。
アレ・トラスダール氏は、欧州のモバイル技術を米国で売り込むため、2000年にノルウェーを離れた。その後、複数のテック企業を創業し、売却した。その一つが、現在「iHeartRadio」として知られるアプリである。
「ノルウェーでは無理だっただろう」と彼は語った。
OECDのデータによれば、ノルウェーのベンチャーキャピタル投資はGDP比で欧州でも最低水準で、スウェーデンの半分、米国にも大きく遅れをとっている。





