最新記事
日米関係

高市早苗首相就任後初の日米首脳会談...関税合意に基づく5500億ドルの対米投資はどうなった?

2025年10月29日(水)09時50分
トランプと高市早苗

日米両政府が28日に公表した「日米間の投資に関する共同ファクトシート」には、関税合意に基づく5500億ドル(約83兆円)の対米投資「候補」となる日米企業名が並んだ。都内で同日撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)

日米両政府が28日に公表した「日米間の投資に関する共同ファクトシート」には、関税合意に基づく5500億ドル(約83兆円)の対米投資「候補」となる日米企業名が並んだ。具体的な企業名の公表に踏み込むことで、日本政府は合意を誠実に履行する姿勢を米国側にアピールする考えだ。


ただ、公表が「候補」にとどまった背景には、政府の意向と企業側の事情が必ずしも一致していない実情も見え隠れする。米国側は第1号案件を年内にも選定したい考えだが、今回のトランプ米大統領来日がどこまで企業の背中を押すかは不透明だ。

時間切れ

「何か文書を出さないと米国との関係がもたなかった」。高市早苗首相とトランプ氏による日米首脳会談が開かれた28日、日本政府関係者はファクトシートの発出に至った理由を自嘲気味に語った。

日本政府は7月の関税合意以降、対米投資を実施できそうな企業への働きかけを強めてきた。交渉に携わった内閣官房幹部は「トランプ氏の来日に合わせて第1号案件を発表できれば一番いい」と意気込んだ。実際、手を挙げる企業も現れ始め、中心となって取り仕切る経済産業省幹部は「モノになりそうな案件が集まってきている」とも期待していた。

ただ、結果的に第1号案件の選定は「時間切れ」となった。トランプ氏が満足する規模や内容のプロジェクトでなければならなかったことや、投資のスキームが複雑で企業側がリスク判断に時間を要したことなどのハードルがあったからだ。前出の内閣官房幹部は「収益性の高い投資であれば企業は政府が呼びかけなくても自らやる。わざわざ複雑なスキームを使うメリットをどう打ち出せるかが難しかった」とも語った。

まちづくり
川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン弱体化、攻撃能力は維持のもよう=米国家情報長

ビジネス

米2月PPI、前月比+0.7%に加速 サービスが押

ワールド

イスラエルがイランの天然ガス施設空爆、米と連携との

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 原油高受けたインフレ圧力
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポリ」が中東へ
  • 4
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 5
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 6
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 7
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 8
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 9
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中