最新記事
テスラ

「テスラ離れ」が加速中、リピーター率急落...「マスク氏の政治色」がブランド価値に影響か

2025年8月5日(火)12時40分

テスラの製品ラインナップは登場から歳月がたち、GMや韓国の現代自動車、ドイツのBMWなどが売り出している多様なEVとの競争が激化している。テスラが2020年以降に発売した唯一の新型車である三角形の外観をした「サイバートラック」は、マスク氏が期待していた年間数十万台の販売を下回って失敗に終わった。

テスラのバイブハブ・タネジャ最高財務責任者(CFO)は4月の決算説明会で、販売不振について「当社のブランドと従業員に対する破壊行為や、不当な敵意による負の影響」を受けたと指摘したほか、「モデルY」の改良型を生産するために工場を再編した際に「数週間の生産停止期間」があったとも言及。マスク氏は「マクロ経済の問題がなければ、需要の減少は見込まれない」と主張した。


 

S&Pのデータによると、テスラの販売は世界的に減少傾向にあり、2025年1―5月に米国で前年同期より8%減った。マスク氏の政治活動への反発が特に強い欧州では25年上半期に33%減った。

CFRAリサーチでテスラの動向を追っているアナリストのギャレット・ネルソン氏はマスク氏の政治活動強化について、テスラが中国系EVメーカーや伝統的な自動車メーカーとの競争が激化する中での「非常に悪いタイミング」だったと指摘。テスラの最大の懸念として市場シェアの喪失と、「ブランドが受けた打撃の回復策」を挙げた。

リピーター率の急落

顧客のリピーター率は自動車業界で注目されている指標で、S&Pのリビー氏は競合他社から新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を維持する方が「はるかにコストがかかる」と指摘する。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エプソン、26年3月期の売上収益を上方修正 関税コ

ビジネス

サウジアラムコ、第2四半期は22%減益 収入が減少

ビジネス

英BP、第2四半期利益は予想上回る 資産・コスト見

ビジネス

リクルートHD、4-6月期営業益20%増 通期予想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 3
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をディズニーが公開へ? 50周年でオリジナル版「復活」の可能性
  • 4
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 5
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「原子力事…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 8
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 9
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 10
    「15対0の完敗」──EUは安全保障を米国に依存する日本…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 10
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中