「テスラ離れ」が加速中、リピーター率急落...「マスク氏の政治色」がブランド価値に影響か
米国で2021年第4・四半期から24年第3・四半期までの四半期ではいずれもテスラ車の所有世帯の6割超がテスラに買い換えており、この間に他に6割を超えていたのはフォードだけで、それも1回の四半期だけだった。
S&Pのデータでは、どのブランドやモデルが他のブランドから顧客を奪い、どのブランドが顧客を失っているのかも判明した。
24年7月までの4年間平均で、テスラは1世帯の顧客を失っても、5倍の新規顧客を獲得しており、他のブランドを圧倒していた。2位の現代自動車の高級車ブランド「ジェネシス」は1世帯を失っても2.8倍を獲得し、韓国の起亜は1.5倍、現代自動車の「ヒュンダイ」ブランドは1.4倍をそれぞれ獲得した。フォード、トヨタ、ホンダは獲得した新規世帯が失った世帯数を下回った。
テスラへの平均顧客流入は、リピーター率が下回り始めた24年7月以降に低下した。今年2月以降にテスラが獲得したのは失った世帯の2倍未満で、これは同社としては過去最低水準だ。
リビー氏は「データは、テスラへの純流入が鈍化していることを明確に示している」と話す。
テスラからの顧客流入がテスラへの流出を上回っているのは、米EVメーカーのリビアン・オートモーティブやスウェーデンの高級EVメーカーのポールスター、ドイツの高級車メーカーのポルシェ、GMの高級車ブランド「キャデラック」だ。