問題が起きた時、「すぐに対応する」が会社を危うくするワケ...組織を強くする「ネガティブ」の力とは

2025年7月25日(金)17時42分
flier編集部

もちろん、すぐに行動して成果を出す力、すなわちポジティブ・ケイパビリティは組織の維持に欠かせません。ですが、あまりにも「すぐにやる」「すぐに解決する」という同調圧力が強くなりすぎていないだろうか。本来はポジティブ・ケイパビリティもネガティブ・ケイパビリティも両方大事です。

こうしたメッセージを投げかけて、みんなで考えられないか。そんな想いから、『「すぐに」をやめる ~ネガティブ・ケイパビリティの思考習慣~』を執筆するに至りました。


──たしかに、経営で株主の利益ばかりを最優先にしすぎた株主至上主義の影響もありそうです。世界の潮流として、ポジティブ・ケイパビリティ優位の傾向を感じる場面はありますか。

合理性だけを追求し、人のコンディションを軽視する動きは、世界各地で起こっています。企業だけでなく国家の動きとしてもそうです。一例として、トランプ政権の政策にも、反DEIなど、そうした側面が見られました。アメリカの求心力を追求するがあまり、各国との共創は後回し。これでは持続可能な社会が損なわれる恐れがあります。

スウェーデン、デンマーク企業の現実を知って芽生えた疑問

──沢渡さんご自身がネガティブ・ケイパビリティの重要性を意識するようになった原体験はありますか。

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