コメ譲歩に慎重論、自動車関税は不透明...日米2回目の交渉へ
だが、日本は7月に参院選挙を控え、与党の自民党は自国に不利になるような合意、とくに重要な票田であるコメ農家に不利になりかねない合意をすることに懸念を示している。
また、すでに発効した25%の自動車関税から日本が除外されない限り、コメで譲歩する必要はないとの声が複数の政府・与党関係者から聞かれる。自動車は日本の対米輸出の3割近くを占め、日本側は交渉の最優先事項に位置付けているが、これまでの米側とのやりとりで日本だけ例外にはできないとの感触を得ていると、複数の政府関係者は話す。
トランプ政権は5月3日までに自動車部品への関税発動も計画している。
自民党は25日、「農林水産品を犠牲にするような交渉方針は断じて受け入れられない」などとする決議文を江藤拓農水相に申し入れた。一方、党の森山裕幹事長は米国産のトウモロコシと大豆の輸入拡大には理解を示しており、日本側は交渉カードとして検討していく可能性がある。
6月のG7で合意との見方
日本にとっての安心材料は、為替と安全保障が関税交渉と切り離されたことだ。為替を巡る交渉は別の枠組みで話し合うこととなり、実際に25日、ワシントンで加藤勝信財務相とベッセント財務長官が会談した。在日米軍駐留費を含む安保の問題についてはトランプ大統領が24日、関税交渉の取引材料にしないと明言した。
それでも、日米交渉を巡る見通しは、訪問先のバチカンで25日にトランプ大統領が語った「(合意は)極めて近い」とする見方とは対照的だ。ロイターは22日、ワシントンの関係者の話として、日米が暫定的な協定の締結に近づいているものの、主要な懸案の多くは先送りされていると報じた。最終的な合意に至らない可能性もあるという。