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中国の逆襲...自動車メーカーが「欧州向けハイブリッド車の輸出」拡大の狙い

2024年12月8日(日)17時08分

中国乗用車協会(CPCA)によると、7―9月の欧州向けハイブリッド車輸出は6万5800台と前年同期の3倍以上に増加し、昨年から今年それまでにかけての販売減少の流れが逆転しつつある。

7―9月に中国から欧州に輸出された全自動車のうちPHEVと従来のハイブリッド車の比率は18%と1―3月の9%から2倍に上昇。対照的にこの間のEVの比率は62%から58%に低下した。

こうした傾向はさらに強まりそうだ。

複数のアナリストは、昨年日本を抜いて世界最大の自動車輸出国となった中国は、国内の過剰供給問題を解消するため輸出攻勢をかけている、と話す。

米国とカナダが中国製EVに100%の関税を課している状況にあって、欧州は中国メーカーにとって最も明確な販路にもなっている。

<PHEV市場の構図塗り替えも>

大手中国メーカーは、物価高の下で燃費性能が高く価格が手頃な車の需要が高まっている市場に対応する形で、今のところ地元勢と日本勢が牛耳る欧州のPHEV市場の構図を覆す可能性がある。

BYDは欧州向け初のPHEVとなる「シールU DM-i」を投入し、独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車に対抗する構え。

シールU DM-iは3万5900ユーロ(3万7700ドル)からと、VWで最も売れ筋のPHEV「ティグアン」の価格を下回り、トヨタの「C-HR」より10%安い。

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