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夫婦間の不仲から米社会の分断まで...「不健全な対立」を「健全」に変える2つの方法

2024年11月19日(火)10時55分
岩田佳代子 ※編集・企画:トランネット

不健全な対立を「なくす」とか「終わらせる」ではなく、「健全な対立に変える」とは、どういうことだろう。

『よい対立、悪い対立』は、そのための方法を伝授してくれる。

有益な対立に導いてくれる「ガードレール」

マハトマ・ガンジーいわく「誠実な意見の食い違いは、往々にして進歩のためのいい兆候である」が、それも条件次第であっという間に不誠実な意見の食い違いとなり、不健全な対立に陥ってしまう。

だからこそ、その条件を避けるためのガードレール──有益な対立に導いてくれるが、不健全な対立には陥らないよう守ってくれるガードレールをつくることが大事なのだという。

それには、相手に、その人の話を自分がしっかり聞いていると態度で示すこと、そして、対立という物語を複雑にすることだ。

自分の話をきちんと聞いてもらえていると実感できれば、話し手も冷静になり、自分の話に矛盾点があるなら、自ら進んでそれを認めることもできるようになる。そうすると人は、聞き手に回ったときには同じようにしっかり聞こうとする。

また、例えば「白人」対「黒人」という単純な二項対立だと不健全な対立に陥りやすいが、「白人で男性でサッカーをしていて家族がいて......」と条件を複雑にしていけば、相手と共通する点が見つかり、そこから互いを理解していくことも可能になってくる。

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