親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代の巨額資産を食い尽くす長寿コスト
Shrinking Legacies
今の高齢者はよくても子や孫の世代は大変だ GEBER86/SHUTTERSTOCK
<最も豊かな世代とされたベビーブーム世代の資産は、思うほど次世代に残らないかもしれない。日本も他人ごとではない長寿社会の落とし穴──>
かつて栄華を誇ったアメリカのベビーブーム世代が、ついに80代に突入した。順調な経済の追い風を受けて育ち、稼ぎ、富を蓄えた世代だが、最終章の先は読めない。自分の暮らしも次の世代に富や不動産を残せるかも不透明だ。
ベビーブーム世代と呼ばれるのは、第2次大戦の戦勝国アメリカで1946年から64年の間に生まれた人たち。先行するどんな世代よりも長く生き、親の代には想像もつかなかったほどの財を蓄えたが、この先には想定外の支出や重い責任が待っている。
老いてなお、この世代の資金力は圧倒的だ。2025年時点でも彼らは国全体の家計資産の半分以上を保有し、その純資産総額は約82兆ドルだった。
彼らに続くX世代(65~80年生まれ)の約42兆ドル、ミレニアル世代(81~96年生まれ)の約16兆ドルとは比較にならない。
羨ましい話だが、なぜそれが可能だったのか。そしてこの莫大な富は今後どのように消費され、継承され、あるいは失われていくのか。
ベビーブーム世代に圧倒的な富が集まったのは、もちろん偶然ではない。彼らの現役時代に経済的な好条件がいくつも重なった結果だ。






