「仕事が忙しい」と言い訳する人は成長しない...朝日新聞記者の〈遊び〉も両立する技術【時間管理】
遊ばない人間と遊ぶ人間とどちらが魅力的か
書いていて思い出しましたが、わたしがニューヨークに赴任したときの支局長Tさんは、洒脱な人で、わたしが遊び回っているのをおもしろそうに眺めていました。「原稿は出しているんだから当然だろ」と、若かった自分は堂々としていたんだけど、会社組織なんて、そうはできていない。「おまえ、支局にも立ち寄らないで毎日なにしてんだ?」と追及されてもおかしくない。
でもTさんは、笑ってた。たまに支局に顔を出すと「おー、生きてたのか? どうだ、これから昼めしいくか?」なんて。〈遊び〉が分かっている人だったんでしょう。
Tさんに比べては悪いんですが、別の支局長は、任期が終わって日本に帰るとき、スタッフにこうあいさつしたそうです。「ぼくは仕事漬けで、ニューヨークにいるのにミュージカルひとつも見られなかった。最後に『キャッツ』を見て帰ります」
自虐ネタのつもりなんでしょうけど、笑えません。そんなこと、自慢にもなんにもなっていない。怠惰です。ただの怠け者です。だから新聞記者は嫌いなんだ。〈仕事〉なんて、するのはあたりまえですよ。歯を食いしばって、石にかじりついて、ダイハードで遊べ。自慢するならそこを自慢しろ。
近藤康太郎(こんどう・こうたろう)
作家/評論家/百姓/猟師。1963年、東京・渋谷生まれ。1987年、朝日新聞社入社。川崎支局、学芸部、AERA編集部、ニューヨーク支局を経て、九州へ。新聞紙面では、コラム「多事奏論」、地方での米作りや狩猟体験を通じて資本主義や現代社会までを考察する連載「アロハで猟師してみました」を担当する。
著書に『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾』『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』(CCCメディアハウス)、『アロハで田植え、はじめました』『アロハで猟師、はじめました』(河出書房新社)、『朝日新聞記者が書けなかったアメリカの大汚点』『朝日新聞記者が書いたアメリカ人「アホ・マヌケ」論』『アメリカが知らないアメリカ 世界帝国を動かす深奥部の力』(講談社)、『リアルロック 日本語ROCK小事典』(三一書房)、『成長のない社会で、わたしたちはいかに生きていくべきなのか』(水野和夫氏との共著、徳間書店)他がある。
『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』
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