最新記事
キャリア

「安定した会社で定年まで...」では逃げ切れない時代に...「キャリア」と本気で向き合うのに必要なこと

2024年2月29日(木)17時21分
flier編集部

なぜ、「多様な強み」を持つ人材がいる組織が一番強いのか?

大賀 キャリアの選択肢が増え、複雑性が増しています。そんななか、個々の可能性を引き出すきっかけが生まれやすい組織的な雰囲気が、魅力的な人を集めるうえでの競争力になると思います。経営者がそうした組織をつくるために、何を心がけるとよいのでしょうか?

徳谷 「個人のビジョン」と「会社のビジョン」との重なりをつくることが必要だと考えています。いまは個人も会社も選び、選ばれる時代。企業がいかに自社のミッション、ビジョン、バリューを発信して、個人のビジョンとの重なりをつくれるかが問われます。

これからの時代は、事業の中身を継続的に変化・進化させることを迫られる。それに対応できるよう、組織にも柔軟性が求められます。現時点の事業に最適化して硬直化した組織形態だと、外的環境とともに事業のモデルや仕組みが変わったとたんに対応できなくなるケースが極めて多い。

組織の柔軟性を実現するために大事なのは、「多様な強みを持つ人材がいること」です。思想も強みもバラバラだと難しいですが、人材を束ねるビジョンと多様な強みがあって、かけ算で価値発揮する経営ができれば、組織として強いと思いますね。

なぜ、個人も、経営者も「セルフアップデート」が求められるのか?

大賀 世の中が変化し、そのスピードが速くなることは確定しています。大事なのは、いかに学び続けて、変わり続けるか。オズボーン教授の論文「スキルの未来」でも「2030年に必要とされるスキル」の1位が、未来を見据えて学び続ける「戦略的学習力」だったことは、その表れだと捉えています。

徳谷 まさにそうです。これからは重要になるのは「セルフアップデート」。単に新しいことをインプットして終わりでなく、インプットをもとにPDCAプロセスを回してアウトプットしていけるか。安定した枠組みで同じことだけしていると、いくら新しいインプットをしてもアウトプットには何も活かせていない。だから、既存の延長線にない “非連続な挑戦” を表す「クリエイティブジャンプ」や、修羅場をくぐる経験、つまり新しいアウトプットをせざるを得ない経験を積んではじめて、自身をアップデートすることができます。

伸び続ける会社の経営者は「セルフアップデート」をし続けています。いくら順調に成長していても、同じやり方を続けて自己変容から逃げていると、その影響が時差で出てくるんです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ADP民間雇用、10月は4.2万人増 大幅に回復

ワールド

UPS貨物機墜落事故、死者9人に 空港は一部除き再

ワールド

トランプ氏、選挙での共和党不振「政府閉鎖が一因」

ビジネス

ECB、金利の選択肢をオープンに=仏中銀総裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 5
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 6
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 7
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    中国の大豆ボイコットでトランプ関税大幅に譲歩、戦…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中