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訂正-NY外為市場=ドル下落、アジア通貨に対し軒並み安 関税懸念が重し

2025年05月06日(火)09時27分

ニューヨーク外為市場で、ドルが円やユーロなど主要通貨に対して下落した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

(本文第2段落の「過去最安値」を「3年ぶり安値」に訂正します)

[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク外為市場で、ドルが円やユーロなど主要通貨に対して下落した。トランプ米大統領が掲げる関税措置に起因する不確実性が経済に及ぼす影響を見極めようとする動きが続いている。

ドルは台湾ドルに対し、28.8150台湾ドルと3年ぶり安値(訂正)を更新。台湾が米国との通商協定の一環として台湾ドル相場の上昇を容認する可能性があるとの観測が出ていたところ、台湾の頼清徳総統が為替政策を巡る偽情報を拡散しないよう呼びかけるなど、異例の「火消し」対応を取った。 

ドルは他のアジア太平洋地域の通貨に対しても下落。豪ドルに対し昨年12月以来の安値を付けた。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、アジア通貨に対するドル売りの要因として、米国の追加関税に関する懸念の中で台湾の生命保険会社などの投資家が積み上げていた大規模なポジションの巻き戻しがあると指摘。「米政府が早ければ7日にも半導体関税を発表するとの観測のほか、米国が二国間貿易協議を通して東アジアでの通貨高を促す可能性があるとの観測が出ていた」と述べた。

ドルは対円で0.73%安の143.885円、対スイスフランで0.50%安の0.82255フラン。

中国のオンショア市場は休場だったが、オフショア人民元は対ドルで約6カ月ぶりの高値となる1ドル=7.1831元に上昇。中国が米国との貿易協議の一環として人民元相場の上昇を容認する可能性があるとの観測が出ていることを背景に上昇した。

トランプ大統領は4日に放映されたNBCニュースの番組インタビューで、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長について、来年5月の任期満了までに解任するつもりはないと表明。一方で、「全くの堅物」と批判し、改めて利下げを要求した。 

FRBは今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くと予想されている。市場が見込む次回6月会合で利下げが決定される確率は37%。 

ドルは欧州通貨に対しても下落。ユーロ/ドルは0.15%高の1.13160ドル、ポンド/ドルは0.21%高の1.32950ドル。  

イングランド銀行(英中央銀行)は8日に開く政策決定で0.25%ポイントの利下げを決定すると予想されている。      

ドル/円 NY終値 143.70/143.72

始値 143.95

高値 144.23

安値 143.55

ユーロ/ドル NY終値 1.1314/1.1315

始値 1.1344

高値 1.1364

安値 1.1298

ロイター
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