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グリーン投資

地球に優しい資産運用「グリーン投資」の手引き(後編)

INVESTING IN A GREENER WORLD

2024年1月19日(金)11時00分
ペネロペ・ワン(金融ライター)

もっとグリーンに投資したくなったら

グリーン投資にもっと深く関わりたければ、持続可能性のより厳格な定義を採用しているファンドを選ぶといい。しかし、その定義もファンドによって大きく異なるし、ファンドに組み込まれているインデックスも異なる。

ファンドの戦略を明確に把握するには、そのファンドが保有している銘柄を見て、あなたの考えるグリーン投資に合致しているかどうかを確認すること。そして、常に銘柄の変化に注意を払うことだ。

パルナサス・コア・エクイティ・ファンドは、持続可能性において最高の成績を収めているとも評価される。同ファンドは最近、原子力関連の銘柄も避けないと発表した。再生可能エネルギーへの移行に欠かせない燃料源として見ているという。

「原子力は除外しない。長年にわたって良好な安全性の実績を築いている」と、パルナサスのチーフインベストメントオフィサー、トッド・アールステンは言う。このファンドの保有銘柄の上位は、マイクロソフトやマスターカードなどCO2排出量の少ない優良企業が占めている。

持続可能性をさらに追求したい場合は、インパクト投資(特定の目標に向かって前進することを目指す戦略)に焦点を当てたファンドを追加することもできる。例えば、きれいな飲料水の保全を目指すフィデリティ・ウオーター・サステナビリティー・ファンドは、水処理会社のペンテアと水関連サービスを提供するエンジニアリング会社のテトラ・テックに投資している。ただしリスクを最小限に抑えるには、焦点を絞ったグリーンファンドへの投資はポートフォリオの15%までにしておくといいだろう。

どのようなグリーン投資戦略を好むにせよ、目標に合ったファンドを選ぶことによって確実なリターンを得られるだけでなく、あなた自身の価値観に沿った方法で投資することができる。環境ウェブメディア「グリーンマネー」(https://greenmoney.com)の発行人クリフ・ファイゲンバウムは言う。

「責任ある企業に対する持続可能な投資は、理にかなっている。私たちが住みたいと思う世界を築くことに役立つのだから」

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ILLUSTRATION BY BRITT SPENCER

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