最新記事
ビジネス

「銀行らしさ」からどう脱却するか...堅い銀行でイノベーションを実現させた「みんなの銀行」に学ぶ

2023年6月6日(火)18時09分
flier編集部

──挑戦者やイノベーターが育ちやすい組織づくりに向けて、経営層やリーダー層はどんな役割を果たすとよいのでしょうか。

まず、新規事業を承認する立場である経営層は、組織としての大きなゴールさえ握れば、そこに至るまでのプロセスを問わずに現場に任せることも大切です。私自身、手を動かさずに口だけ出す評論家はいらないし、“Take the Lead(思い立ったら、やってみよう)” を推奨しています。この姿勢を体現できている人に裁量が与えられ、評価されるような人事評価の制度を整えていくことも重要です。みんなの銀行でも2023年4月から、INSIGHTに沿った行動をした人が評価されるような人事制度へと刷新を図っています。

次に、リーダー層にとって大事なのは、メンバーが小さな成功体験を積めるようにすることです。銀行のプロダクトを新たにつくることは簡単ではないですが、マーケティングなら新しいことをクイックに試せます。特にデジタルマーケティングならアウトプットの結果がすぐにわかる。みんなの銀行でも、職種関係なく全社員からアイデアを募って、面白いものには予算をつけようと考えています。口座獲得につながるマーケティングプランとか、サービスを盛り上げる施策とか。お客様がハッピーになる企画ならどんどんやってもらいたいと思っています。

「頭がスッキリ整理される!」を体現してくれたのは、あの伝説の名著

──永吉さんの人生や価値観に影響を与えた本は何でしたか。

外山滋比古さんの『思考の整理学』(筑摩書房)には大きく影響を受けました。刊行から37年間で270万部以上売れ、「知のバイブル」として読み継がれている一冊です。思考法やアウトプットに関するビジネス書は多数ありますが、そうしたメソッドの集大成のような本だと思っています。自分に合った方法を小さく試すことができます。私の場合は、「カード(大きい付箋で代用)」にアイデアを書いて、「つなげる」「寝かす」「忘れる」などを実践しています。机の上に付箋がいっぱい貼ってあるのは、この本の影響です(笑)。

みんなの銀行のモットーは「クリエイティブであれ!」。変化の激しい時代では、これまでの延長線上の日常をくり返すだけでは生き残れないという危機感があります。テクノロジーを活用しながら、人間ならではのアイデアをつくり出し、それを掛け合わせていく必要があると考えています。そのためには、良質なインプットとアウトプットをくり返すことが大事ですが、『思考の整理学』はインプットとアウトプットを行き来する際の「頭の中の整理方法」が余すことなく書かれている一冊です。

思考の整理学
 著者:外山滋比古
 出版社:筑摩書房
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国首相、フォーラムで一段の経済開放約束 日本企業

ワールド

G7、エネ供給支援へ必要な措置講じる用意 外相声明

ワールド

トランプ氏、米空港にICE捜査官派遣と警告 予算巡

ワールド

トランプ氏、イランに48時間以内のホルムズ開放求め
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 7
    人気セレブの「問題ビデオ」拡散を受け、出演する米…
  • 8
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 9
    トランプ政権の「大本営」、イラン戦争を批判的に報…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中