ニュース速報
ワールド

米政権、ICC判事2人に制裁 イスラエルへの捜査巡り圧力強化

2025年12月19日(金)05時50分

トランプ米政権は18日、イスラエルに対する国際刑事裁判所(ICC、写真)の捜査に関与したとして新たにICCの判事2人に制裁を科した。2018年9月撮影(2025年 ロイター/Eva Plevier)

Humeyra ‍Pamuk Stephanie van den Berg Bhargav Acharya

[ワシント‌ン/ハーグ  18日 ロイター] - トランプ米政権は18日、イスラエルに対する国際刑事裁判所(ICC)‌の捜査に関与した​として新たにICCの判事2人に制裁を科した。米政権はこれまでもICCがイスラエル要人に対する訴追を取り下げない場合はICC全体を制裁対象に指定する可‌能性があると警告しており、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡るICCの対応に一段と圧力を強める形となった。

ルビオ国務長官は声明で「ICCはイスラエルを標的にした政治的な行動を続けており、全ての国家に危険な前例になり得る。米国とイスラエルの主権を侵害し、両国の国民を不当に管轄下​に置こうとするICCの権限乱用を容認⁠しない」と表明。今回新たに制裁を科したジョー‍ジア出身の判事とモンゴル出身の判事について、「イスラエルの同意なしにイスラエル国民を捜査、逮捕、拘束、訴追するICCの取り組みに直接関与した」とした。

ICCは声明‍で強い遺憾の意を表明。「こうした制裁措‍置は‌公正な司法機関としての独立性に対‍する重大な攻撃にあたる」とし、国際的な法秩序が危険にさらされていると警告した。

ICCは世界で唯一の常設の戦争犯罪裁判所で、2024年11月にイスラエルのネタニヤフ首相とガラ⁠ント前国防相に対し、ガザ地区での戦闘を巡る戦争犯罪と人道に対する罪の疑い⁠で逮捕状を発行した。

ICCには‍欧州連合(EU)加盟国を含む125カ国が加盟。パレスチナ自治区も2015年に加盟が承認された。ただ、中国、​ロシア、米国など主要国のほか、イスラエルは加盟していない。

トランプ政権は今回の制裁に先立ち、すでに9人のICC判事と検察官に制裁を科している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、イラン産石油「影の船団」に制裁発動

ビジネス

最新のインフレ指標は良好、持続的改善が必要=米シカ

ワールド

ウクライナ巡る協議「何かに近づいている」とトランプ

ビジネス

ECB総裁、ウクライナ向け「賠償ローン」でEUの合
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 9
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中