<円安と長期金利の上昇に揺れる日本。しかし本当の危機は、その先にある。巨額の政府債務を抱える日本には、これまでの常識が通用しない厳しい局面が迫っている>

日本の財政が大きな転換点を迎えている。国債市場で長期金利が上昇し、円急落が現実味を帯びてきたことから、28年ぶりとなる日米円買い協調介入が実施された。

高市政権の骨太方針や積極財政が金利上昇と円安のきっかけになっているのは事実だが、これらの政策を撤回しても状況は大きく変わらない。国際社会はインフレと金利上昇が常態化する戦時経済とも呼べる状況に突入しており、財政状況が著しく悪い日本にその矛先が向けられている。

各国ではインフレ体質が完全に定着しており、物価が上がり続けることが当たり前となっている。中央銀行が量的緩和策を実施し、市場に大量のマネーをばらまいたことがインフレの主要因だが、日本以外の中央銀行は既に緩和策からの撤退を進め、マネーの供給状況は改善している。

それにもかかわらずインフレが止まらないのは、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに地政学的リスクが急上昇したのに加え、駄目押しという形でトランプ政権がイランを攻撃したことによって、国際経済の枠組みが根本的に変化し、全てが物価にシワ寄せされているからである。

アメリカは自国の軍事費を増大させるだけでなく、欧州各国に対してもGDP比5%という巨額の軍事費増額を求めており、EU側は受け入れた。アメリカは日本にもGDP比3%以上の防衛費を要求しており、赤字国債の大量発行がほぼ不可避となっている。

これまで、各国の軍事費はGDP比2%程度が標準であり、3%を超えると軍拡路線、5%を超えるとほぼ戦争水準と考えてよい状態で、このレベルまで来ると、市場経済には極めて大きな影響が及ぶ。

国際協調やグローバル経済を前提とした以前の時代に戻ると考える専門家はほぼ皆無であり、世界経済は分断化と金利上昇、そしてインフレが長期にわたって継続する「戦時経済」に突入したと判断せざるを得ない。

市場は「金利7%」までの上昇を見込む
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