最新記事

ビジネス

周りを生かせず孤軍奮闘してしまう人へ...「お通夜」会議をなくす「問いかけ」の手法

2022年7月29日(金)17時07分
flier編集部
安斎勇樹氏

安斎勇樹氏 Yuki Anzai

<チームの力を合わせて個人の力以上のものを出したいが、いざ会議の場ではみんな「だんまり」してしまう──。そんな時は「問いかけ」を見直すべきだ>

※このインタビュー記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

「なかなかアイデアが出てこない」「気まずい沈黙が続く」......。そんな「お通夜」ミーティングに悩まされるビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか。オンライン会議の普及により、対面と比べて相手の表情や気持ちがわかりにくくなったとの声も聞かれます。

しかしそのお悩み、ちょっとした「問いかけ」の工夫で一気に解消されるかもしれません。東京大学大学院情報学環特任助教で株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO、安斎勇樹さんが2021年12月に刊行された『問いかけの作法』(以下、本書)は、練られた問いによる問題解決の手法が満載です。

HRアワード2021最優秀賞を受賞した前作『問いのデザイン』とともに、本書の魅力を安斎さんにインタビューで伺いました。

◇ ◇ ◇


周りの力を引き出せない人へ

── 本書は主にどういった課題をお持ちの方、企業に有用とお考えでしょうか。

基本的には、チームを運営しているプロジェクトリーダーやマネージャーの方、自分の力だけで成果を出すのではなくチームの力を合わせて個人以上の力を出したい人を念頭に置いています。

本書でも触れましたが、優秀な人ほど周りがついていけなかったり、メンバーの主体性が自分に比べて足りなく思えてやきもきしたりしてしまうものです。その結果、「自分が頑張るしかない」という気持ちになって孤軍奮闘し、周りの力をうまく生かせない、そう悩まれている方々に向けて書きました。

── そういった職位の方々なので、想定される読者の年齢層も幅広いですね。

そうですね。読んでいただいている方は、20代からエグゼクティブ層までさまざまだと感じています。

「こだわり」を育て、「とらわれ」を疑う

── 本書には、質問の精度を上げる強力な問いかけ手法として「フカボリモード」と「ユサブリモード」の2つの問いかけモードがあるといった、ユニークな表現が多く見られます。特に思い入れのある表現があればご紹介ください。

そうですね。その「フカボリモード」と「ユサブリモード」も気に入っている言葉ですが、その前提にある「こだわり」と「とらわれ」というワーディングをご紹介したいと思います。

両方、ひらがなとカタカナだけにしたのにはわけがあります。前作『問いのデザイン』は、読んでくれた方に「研究者の書いた、小難しい本だ」といった感想をいただきました。その意地もあって「漢字を一つも使わずに説明しよう」という思いを込めたワーディングでもあります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米財務長官「ブラード氏と良い話し合い」、次期FRB

ワールド

米・カタール、防衛協力強化協定とりまとめ近い ルビ

ビジネス

TikTok巡り19日の首脳会談で最終合意=米財務

ワールド

カタール空爆でイスラエル非難相次ぐ、国連人権理事会
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中