ロシア産ナフサ、トランプ氏のタンカー封鎖命令で対ベネズエラ輸出に暗雲
トランプ米大統領がベネズエラを出入りする制裁対象の石油タンカーの封鎖を命じたことに対する抗議デモの参加者。首都カラカスで12月17日撮影。(2025年 ロイター/Leonardo Fernandez Viloria)
[モスクワ 17日 ロイター] - トランプ米大統領が16日にベネズエラを出入りする制裁対象の石油タンカーの「全面封鎖」を命じると表明したことを受け、このところ増加しているロシア産ナフサのベネズエラ向け輸出に暗雲が垂れ込めている。ロシアはナフサのベネズエラへの輸送に制裁対象の船舶を使用しているためだ。トレーダーはこれらの船舶が新たな買い手を探して行き先を変更する可能性があると指摘する。
ベネズエラは国産の重質原油を希釈して輸送・処理しやすくするため、ナフサに依存している。ベネズエラは、米国が科した制裁により米国からのナフサの供給が断たれたことを受け、7月にロシアからのナフサの輸入を開始した。
一方、ロシアも西側の制裁でナフサの販売先がインドと台湾といったアジアや中東になった。そして足元では中南米向け輸出が急増。LSEGのデータによると、ロシアの港湾でベネズエラへの輸出用に積載されたナフサは11月に19万トンとなり、前月の3万5000トンから膨らんだ。
12月の船舶運航データによると、少なくとも10万トンのロシア産ナフサがベネズエラへ向かっている。LSEGのデータによると、約3万2000トンのロシア産ナフサをベネズエラへ運んでいたベナン船籍のタンカー「ボルタリス」が先週、航路を方向転換して現在、貨物を積んだまま欧州へ向かっている。





