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「社員が辞める前の兆候」を心理カウンセラーが解説、離職は見抜けるか?

2022年4月28日(木)11時20分
阿部田みほ ※経営ノウハウの泉より転載

成長意欲が強くなっている時の兆候としては、自分の影響力を保持するために、意図的に自分がいないと回らない状態に持っていこうとすることがあります。例えば、自分の仕事について誰にも権限を渡さない場合があります。また、「自分のやっている仕事は大変だ」という雰囲気を出しているにもかかわらず、周りが助け舟を出しても断るといったこともあります。

このような兆候が見られると、経営幹部の愚痴を言い始め、社員との対立構造を作っていく可能性があるので注意が必要です。

成長意欲が強いことは良いことですが、成長意欲が強すぎるのは自分のことしか考えていないことと同じです。「自分が何を学ぶか?」「どう評価されるか?」ばかりを考えて、チームとして結果を出して、会社に貢献することまで考えられていないケースが多いです。

仕事は自分がやりたいことばかりではなく、地道にコツコツ努力しなければならないこともたくさんあります。

それも含めて「自分に任せてください」と手をあげて行動に移す前向きな人が本当の意味で成長していきます。

兆候を見逃さず離職を防ぐには?

兆候を見逃さず離職を防ぐには、インフォーマルな場でのコミュニケーションと本音の引き出しをしましょう。賞与の面談や1on1の面談で話を聞くのではなく、ランチや飲み会をしながら日常的なコミュニケーションの機会を増やしてください。フォーマルな場で聞こうとすると「これは賞与や評価に関わるんじゃないか?」と思われて、なかなか社員の本音を引き出せません。そのためには日頃から社員と信頼関係を築くことが重要です。また、社内イベントや交流会を定期的に開催したり、社内ブログや社内SNSの導入もおすすめです。

相互理解を深めるために1日5分でもいいので社員と話す機会を作ったり、経営者自身も自己開示をするように心がけましょう。

まとめ

今回は離職する社員に見られやすい兆候と防止策についてお伝えしました。ぜひ本記事の内容を参考にして、社員が辞める兆候を見抜き、社員に寄り添った対策・働きたいと思う組織作りを目指しましょう。

2022.02.22

[執筆者]
阿部田みほ
認定心理士
フリーライター、インフルエンサー
高校を卒業後、個人事業主として海外で3年ビジネス経験を積む。日本に帰国後、大学に入り心理学を勉強して認定心理士の資格を取得。現在は、「自分らしく生きる」をテーマに、メンタルトレーニングやキャリア支援を行なっている。インスタグラムでのフォロワーは6万。これからの生き方や働き方に関する情報を発信している。

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
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