最新記事

世界経済

超富裕層の資産、世界全体の3.5%と1年あまりで1.5倍に コロナ禍で格差拡大

2021年12月8日(水)14時05分
モナコのハーバーに停泊中のクルーザー

世界全体の家計資産に占める「超」富裕層の資産保有比率は今年3.5%と、コロナ禍が発生した昨年初めごろの2%強から一段と上昇し、過去最多水準を記録した。写真はモナコのハーバーに停泊中のクルーザー。9月撮影(2021年 ロイター/Eric Gaillard)

世界全体の家計資産に占める「超」富裕層の資産保有比率は今年3.5%と、コロナ禍が発生した昨年初めごろの2%強から一段と上昇し、過去最多水準を記録した。社会科学者のグループが7日公表した最新の「世界不平等リポート」で、超富裕層による「世界の富の支配」が改めて浮き彫りになった。

リポート執筆を主導したルーカス・チャンセル氏は「コロナ危機は超富裕層とその他の人々の格差を助長した」と指摘した。

2019年にノーベル経済学賞を共同受賞したアビジット・バナジー氏とエステール・デュフロ氏も執筆に加わった。報告書は「資産が将来の経済的な利益や権力、影響力の主な源泉となる以上、この状況は今後格差が一段と開く事態を予見させる」と述べ、「極めて少数の超富裕層の手に経済力が異常に集中」していると説明した。

今回のリポートによると、資産上位0.01%の富裕層52万人の合計資産も世界全体に占める比率が昨年の10%から11%に切り上がった。

富裕層が富を拡大した背景としては、コロナ禍対応のロックダウンに際して世界の経済活動の多くがオンラインに移行する流れに乗じたことや、世界経済の回復期待の中で金融市場の資産価格が上昇した恩恵を指摘した。

リポートは各地域に目を向け、福祉制度が整っていない国では貧困が急増した一方、米国と欧州では政府の大規模支援によって少なくとも一部の低所得層の痛手は和らげることができたと指摘。チャンセル氏は「貧困との闘いにおいては社会福祉国家の重要性が証明されている」と強調した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:カジノ産業に賭けるスリランカ、統合型リゾ

ワールド

米、パレスチナ指導者アッバス議長にビザ発給せず 国

ワールド

トランプ関税の大半違法、米控訴裁が判断 「完全な災

ビジネス

アングル:中国、高齢者市場に活路 「シルバー経済」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界がうらやむ国」ノルウェーがハマった落とし穴
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 10
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 10
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中