最新記事

金融

みずほ銀行、新たなシステム障害 2週間で4件、頭取「断腸の思い」

2021年3月12日(金)23時31分

みずほ銀行は12日、データセンターでハード機器の障害が発生し、約300件の国内の外貨建て送金に遅れが出たと発表した。システムトラブルは2月28日以降、4件目となる。写真はみずほフィナンシャルグループのロゴ。2018年撮影。(2021年 ロイター/Toru Hanai )

みずほ銀行は12日、データセンターでハード機器の障害が発生し、約300件の国内の外貨建て送金に遅れが出たと発表した。システムトラブルは2月28日以降、4件目となる。

同日夜に会見した藤原弘治頭取は「信頼してみずほ銀行と取引いただいている方々の期待を裏切ることなったことは断腸の思い」と述べた上で、「立て続けにトラブルが起きたことを極めて重く受け止めている。心からおわび申し上げる」と謝罪した。

みずほ銀によると、11日夜にデータセンターのハード機器に障害が発生。バックアップ機器への切り替えにも失敗したことで、約300件の国内の外貨建て送金に遅れが生じた。12日早朝にかけてハード機器を交換。外為決済システムでの取引処理が可能になったのは午後で、海外送金などの集中記帳が終了したのは20時前だった。藤原頭取は、障害の原因については今後掘り下げて究明していくとした。

同行では2月28日に全国に設置する7割超の現金自動預払機(ATM)が一時停止する大規模なシステム障害が起きた。3月3日、7日にもATMやインターネットバンキングが使えなくなる不具合が発生。4件の障害の原因はそれぞれ異なるという。金融庁は同行に対して報告徴求命令を出している。

藤原頭取は自らの経営責任について「連続した障害が起きているのは痛恨の思いだが、しっかり総括して再発防止に努めるのが最大の責任」と述べた。

みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長が4月から全国銀行協会の会長に就任する予定だが、藤原頭取は「銀行協会の務めをしっかり果たしていくことを考えている」と説明した。

(新田裕貴 編集:石田仁志)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国人富裕層が感じる「日本の観光業」への本音 コロナ禍の今、彼らは何を思うのか
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トヨタ、23年度は世界販売・生産が過去最高 HV好

ビジネス

EVポールスター、中国以外で生産加速 EU・中国の

ワールド

東南アジア4カ国からの太陽光パネルに米の関税発動要

ビジネス

午前の日経平均は反落、一時700円超安 前日の上げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中