最新記事

航空機

コロナ禍で旅客機を貨物機にリノベ ネット貨物増で「改造機」活躍

2020年12月21日(月)08時42分

ただアナリストは、貨物市場は変動が大きいことで知られ、これまで長引く低迷に苦しんでおり、貨物輸送能力は不足状態が簡単に過剰に転じ得ると警鐘を鳴らしている。

世界の貨物は通常、全体の半分程度が旅客機の貨物室で運ばれているが、旅客需要が落ち込んだため、専用貨物機での輸送が増えている。

CDBアビエーションのパトリック・ハンニガン最高経営責任者(CEO)は「2020年は貨物機の稼働率が過去最高となっている。新型コロナ流行で、電子商取引の需要増加に向けた長期的な構造的シフトが加速するとみている」と述べた。

ボーイングは新型コロナ流行に絡む旅客市場の混乱により、貨物事業のイールド(距離当たりの単価)が9月までに40%上昇。今後20年間に納入される貨物機の60%余りを、ボーイング777のようなワイドボディの貨物専用機ではなく、転換機が占めるようになると予想している。ナローボディの貨物機はほぼすべてが旅客機からの転換だ。

航空機の整備や修理の企業の雇用維持にも

P2Fブームは、航空機の整備や修理などを手掛ける企業が旅客機の運用減少で失った仕事の一部を穴埋めするのにも役立っている。

STエンジニアリング・エアロスペースのジェリー・ラム社長によると、P2Fは通常、機体分に加えて数百万ドルのコストが掛かり、改造に3カ月から4カ月要する。同社は生産能力を増強しており、将来的には年間処理能力を今年の1桁台から25-30機に増強する計画。来年はエアバスA321を少なくとも18機転換する予定だという。STエンジニアリングはリース事業に貨物転換機を加えることも計画している。

IAIのボーイング767の転換能力は年18機で、アマゾンが利用する貨物機の大半はIAIが手掛けたものだ。IAIの航空グループの幹部、ヨセフ・メラムド氏は「市場の需要に応じるため多大な努力を払っている」と述べた。

米エアロノーティカル・エンジニアーズのロバート・コンベイ上席副社長も転換機への需要が大幅に増加していると述べた。旅客機の運航停止が増えて、転換される航空機の製造年がどんどん新しくなっているという。

航空機の整備を手掛けるカナダのKFエアロスペースのグラント・スティーブンス副社長によると、P2F需要の増加が整備需要の落ち込みを埋めるのに役立ち、雇用の大半が維持できているという。

(Jamie Freed記者、Ari Rabinovitch記者、Allison Lampert記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米政府の代表団乗せた飛行機、パキスタンに到着 イラ

ビジネス

経産省、ラピダスへの6315億円の追加支援決定 総

ワールド

宇宙船オリオン、4人乗せ地球に無事帰還 月の裏側を

ワールド

アングル:イラン戦争でインフレ再燃、トランプ政権に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 10
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中