財政出動頼みのアベノミクス 消費税10%でも過去最高の歳出で健全化遠く
「貴重な財源」消失リスク
日銀の大規模金融緩和による低金利環境の持続は、国債費の減額をもたらしてきた。19年度補正予算では国債費の減額が財源の1つになった。その「金利ボーナス」がいつまで続くのか不透明感がくすぶっている。
20年度予算の積算金利は1.1%。2017年度以降、過去最低の水準が続いている。財務省は金利急騰時の利払い負担増に備え、長期金利の実勢レートよりも高い水準に積算金利を設定している。先行き、長期金利が明確にプラス圏に浮上すれば国債費の減少という「貴重な財源」も見込めない。
ある経済学者は「経済産業省が主導する安倍政権の下で、財政規律はなくなってしまった」と嘆く。「財務省が財政規律を発揮し、事業に優先順位をつけていくべきだ」と話す。
麻生太郎財務相は20日の閣議後会見で、「歳出改革への取り組みは継続しながら、経済再生・財政再建の両立を図る」と述べ、PBの25年度黒字化目標は維持すると強調した。
(和田崇彦 編集:青山敦子)


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