最新記事

貿易戦争

「第1段階」合意の米中通商交渉に重要な食い違い 中国の見解は

2019年12月19日(木)11時03分

米中両国が発表した第1段階の合意内容に関して、調印のタイミングを含めて、微妙だが重要な両国間の解釈の食い違いが浮上しつつある。写真は5月20日、北京で撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

米中両国が13日に発表した第1段階の貿易合意は、米政府の説明では来年1月初めにも正式文書が調印される。

ただこの合意内容に関して、調印のタイミングを含めて、微妙だが重要な両国間の解釈の食い違いが浮上しつつある。

以下に示すのは主な項目ごとの中国政府の公式な見解だ。

米製品の輸入拡大

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は13日記者団に、合意には中国政府が今後2年で米国製品・サービスの2000億ドル相当を追加購入するとの約束が含まれていると述べた。

ところが中国政府はそうした具体的な購入額を明示していない。13日にはそれぞれ会見に応じた何人かの高官が「中国企業は、世界貿易機関(WTO)のルールと市場ルール、企業原則の下で、米国などの諸国から品質が高くて競争力のある製品とサービスの輸入を拡大する」といずれも事前に用意したコメントを読み上げた。

記者からの購入対象に関する質問には、個別の製品やサービスではなく市場環境を重視すると強調したのだ。

中国国家発展改革委員会の寧吉喆副主任は「米国の製品とサービスに市場性があり、中国人民のニーズを満たせる限り、米国からの輸入拡大はわれわれの望むところだ」と語り、中国は必要に応じて米国からエネルギーや工業製品、サービスの輸入規模を広げる可能性があると付け加えた。

500億ドルの米農産品購入

寧氏は、トランプ米大統領が13日に中国が500億ドルの農産品を買うと主張したことを聞かれると、中国が高品質かつ市場競争力のある米農産品の調達を増やすのは「間違いない」としながらも、具体的に何を購入するかは今決めている最中だと明言を避けた。

中国農業農村省の韓俊次官は、合意を実行すれば「われわれが米国から輸入する農産品は格段に増える」と発言。国内市場安定化のためには豚肉と鶏肉の輸入が「喫緊に必要とされている」と明らかにするとともに、小麦やトウモロコシ、コメも輸入することになるとの見方を示した。それでも中国は食料安全保障の観点から、穀物自給を引き続き重視するとくぎを刺した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン国会議長、米国との協議実施を否定

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、3月は‐16.3 原油高

ワールド

米エネルギー長官、戦略石油備蓄の追加放出は「可能性

ワールド

イランとの予備的協議は「非常に良好」、イラン側も和
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 3
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に困る」黒レースのドレス...豊胸を疑う声も
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 8
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    100年の時を経て「週40時間労働」が再び労働運動の争…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中