最新記事

ネット

「軽く月10万円は稼げます」 アマゾン偽レビューを書く人はどうやって儲けるのか?

2019年11月8日(金)17時00分
横田 増生(ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

どんな人が出品者なのだろうか。

「想像ですけれど、99%が中国人の出品者だと思いますね。一応、通じるレベルではあるんですが、日本語が怪しいですし、やり取りの途中で、中国語で返事が来たときもあります。そういうときは、ネットの翻訳機能を使って返事を書いたこともありました」

出品者はどのような要求をしてくるのだろう。

「アマゾンで購入した商品を、五つ星でレビューしてくれというのが1点。2点目はある程度の字数、200~300字ぐらいで書いてくれ、というもの。3点目は、できれば商品の写真もつけてくれ、という感じですかね。でも、僕は、絶対、写真はつけませんでした。

どうしても写真がほしいという出品者の場合、たいていは、中国のアリババや淘宝で同じ商品が出品してあるので、グーグルで画像検索して探すんです。そこから写真をダウンロードして、適当にトリミングしてつけました」

「軽く月10万円ぐらいは稼げますよ」

そうしてタダで手に入れた商品はどうするのか。

「メルカリやヤフオクで新品として転売します。だから、レビューのために写真を撮るとなると、いったん開封するので、新品にはならないでしょう。転売に一番いいのは、イヤホンなどの小型の家電製品ですね。置いておくスペースも要りませんし、だいたい1週間前後で売れていきます。

5000円の商品なら、3500円ぐらいの値段をつけて売ります。どうせタダで仕入れた商品なんで、売れた金額がそのまま利益ということです。まじめにやれば、軽く月10万円ぐらいは稼げますよ」

話を聞いているうちに、彼の本業は何なのだろうか、という疑問が湧いてきた。

「ボクですか。大学を卒業してから、ネットで物品販売をやりたいと思っていろいろやっていたんですけれど、今は資金が底をついて、先輩のところに身を寄せているんです」

卒業した大学名を尋ねれば、東京六大学の1つであった。それなら、まともな就職先もあったのではないか、とも思ったが、それは彼が選んだ生き方であり、私が口を挟む必要はない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは154円後半で底堅い、円売り継続 

ワールド

インド、証券取引委員会幹部の資産公開を提言

ワールド

ベトナム、年明けから最低賃金を7%以上引き上げ

ビジネス

マクロスコープ:円安巡り高市政権内で温度差も、積極
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中