最新記事

日本経済

日本企業、製造業が全業種で経常減益 米中貿易戦争で設備投資に陰り

2019年9月2日(月)18時01分

務省が発表した4─6月期の法人企業統計調査によると、製造業の設備投資は米中摩擦の影響などにより2年ぶりに減少した一方で、非製造業は内需好調で11四半期連続で増加を維持した。写真はエアコン工場。2015年3月、滋賀県で撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

財務省が発表した4─6月期の法人企業統計調査によると、製造業の設備投資は米中摩擦の影響などにより2年ぶりに減少した一方で、非製造業は内需好調で11四半期連続で増加を維持し、明暗が分かれた。製造業は半導体関連の需要減に全業種での大幅減益が重なり、投資減退につながったもよう。前期比でも2期連続の減少でピークアウト感が否めない。

全産業の設備投資(ソフトウエアを含む)は前年同期比1.9%増で11期連続の増加。支えたのは非製造業で同7.0%増、首都圏での再開発を中心に不動産業の投資やリースでの資産増強などが寄与した。

製造業は同6.9%減で、非製造業のプラス幅をほぼ相殺している。世界的な半導体需要減を反映した情報通信機械の減少や、石油関連設備での前年の反動減が足を引っ張った。

経常利益は全産業で同12.0%減と2期ぶりの減益。特に製造業は27.9%減と4期連続の減益となった。情報通信機械が84.6%もの大幅減益、電気機械もスマートフォンや自動車向けの需要が振るわず32.6%減など、軒並み2桁の悪化となり、11業種全てが減益となった。

非製造業もその影響を受け同1.5%の減少、2期ぶりに落ち込んだ。サービス業や運輸業、情報通信業が振るわなかった。

設備投資を前期比(今期からソフトウエアを含むベースに変更)でみると、全産業では1.5%増。製造業は4.3%減で2期連続の減少となった一方で、非製造業は4.7%増と、こちらも製造・非製造業で対照的だった。

民間設備投資は、4─6月期の国内総生産(GDP)ベースでは1次速報で前期比1.5%増と3四半期連続の増加を維持している。製造業の悪化を非製造業が補う形で前期比でプラスとなった法人企業統計を反映しても「小幅な下方修正」(みずほ証券)にとどまり、大きな変更はないとみられる。

ただ、同証券でも「米中貿易戦争の激化による世界経済の不透明感は一段と強くなっており、製造業を中心に設備投資を控える動きが徐々に強くなっていくだろう」(末廣徹・シニアマーケットエコノミスト)とみている。

(中川泉 グラフ作成・編集:田中志保)

[東京 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20190910issue_cover200.jpg
※9月10日号(9月3日発売)は、「プーチン2020」特集。領土問題で日本をあしらうプーチン。来年に迫った米大統領選にも「アジトプロップ」作戦を仕掛けようとしている。「プーチン永久政権」の次なる標的と世界戦略は? プーチンvs.アメリカの最前線を追う。



ニューズウィーク日本版 総力特集:ベネズエラ攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月20号(1月14日発売)は「総力特集:ベネズエラ攻撃」特集。深夜の精密攻撃で反撃を無力化しマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ大統領の本当の狙いは?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 5
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 6
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 7
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 10
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中