米FRBが0.25%追加利下げ 追加緩和の手掛かり示さず

米連邦準備理事会(FRB)は17─18日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド金利の誘導目標を1.75─2.00%に25ベーシスポイント引き下げることを7対3で決定した。写真はワシントンのFRB本部。3月撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)
米連邦準備理事会(FRB)は17─18日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.75─2.00%に25ベーシスポイント(bp)引き下げることを7対3で決定した。利下げは予想通りで、前回7月に続き今年2回目。ただ、今後の追加利下げを巡ってはほとんど手がかりを示さず、即座にトランプ大統領の痛烈な批判を招いた。
パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、米経済見通しは「良好」だとした上で、世界的な経済成長の鈍化や通商問題を巡る緊張の高まりなどの「現在見られるリスクに対する保険」として、利下げを決定したと説明した。
今後については「景気が実際に下向けば、より長期にわたる利下げが適切となる可能性がある」との見方を示した。ただ、国内労働市場は力強く、インフレ率はFRBが目標とする2%に回復する公算が大きいと指摘し、「現在直面しているのはFF金利の適度な調整による対応が可能かつ適切な状況だとわれわれは考える」と言明。
今後の対応は「データに大いに左右される。あらかじめ決められた軌道には乗っておらず、会合ごとに判断する」と述べた。その上で「十分な措置を講じたと判断」した時点で利下げを停止する方針を示した。
FRBはFOMC声明で、労働市場は「力強く推移」し、経済活動は「緩やかなペースで拡大している」と指摘。雇用の伸びは「概してここ数カ月堅調」だったとしたほか、家計支出は「力強いペースで増加した」とした。ただ「企業の設備投資と輸出は弱まった」との認識を表明。見通しに対する「不透明性」は残るとし、「景気拡大を維持するために適切に行動する」とした。
FRBの利下げ幅が25bpにとどまったことについて、トランプ大統領は、ツイッターへの投稿で「根性なし。判断力なし。展望なし!」と批判。パウエル議長については「恐ろしいほど意思疎通が下手だ」とし、「パウエル議長とFRBはまたもやしくじった」と不満を示した。
FRBの決定を受け、米株価は一時下げ幅を拡大する場面もあった。米10年債利回りはやや上昇した。
