米株価急落 FRBが利下げ決定するも緩和サイクル開始示唆せず
パウエル議長は記者会見で、今回の利下げは「サイクルの半ばにおける調整」的な性格を持つと説明。今後、大幅な利下げが実施されることを示唆する発言ではないと受け止められた。
米株価はFOMC声明発表後、さらにパウエル議長が記者会見を行っている間に急落。ダウ工業株30種は1.23%、S&P総合500種は1.08%下落して終了した。
外国為替市場では主要6通貨に対するドル指数が約0.5%上昇し、2年余りぶりの高値を付けた。
政策金利に連動しやすい米2年債利回りは1.87%に上昇した。
ブッチャー・ジョセフ・アセット・マネジメントのマネジングプリンシパル、ケン・ポルカリ氏は、利下げは大方の予想通りだったが、パウエル議長の発言は「市場の予想とは異なった」と指摘。「パウエル氏は可能性を排除したわけではないが、9月に追加利下げがあるとのメッセージは出していないため、見極めが必要だ」とした。
ファースト・フランクリン・フィナンシャル・サービシズ(フロリダ州)の首席市場ストラテジスト、ブレット・エウィング氏はFRBの決定について「現時点で保険をかけておく決定を下したのは賢明だった」と指摘。「(資産縮小を終了させ)量的引き締めを終わらせる決定も正しい選択だった」と述べた。
トランプ米大統領はFRBの決定後にツイッター上で「市場はパウエル議長とFRBから、中国や欧州連合(EU)などと歩調を合わせるような長期的で積極的な利下げサイクルの開始について話が出ることを期待していた」とした上で「これまでと同様、パウエル議長は期待を裏切った」と批判した。
一方、保有資産の縮小を前倒しで終了するとの決定については、「少なくとも量的引き締めは終わらせることになった」と歓迎の意を示し、低インフレを踏まえると、量的引き締めはそもそも開始されるべきではなかったと続けた。
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