韓国政府、日本の輸出規制に対し「直接対抗措置の発動排除せず」

韓国の洪楠基・経済副首相兼企画財政相は、日本の輸出規制が長期にわたった場合、直接的な対抗措置を発動する可能性があると警告した。写真は韓国・平沢氏の半導体工場で2008年3月に撮影(2019年 ロイター/Lee Jae Won)
韓国の洪楠基・経済副首相兼企画財政相は4日、日本が同日発動した韓国への半導体材料の輸出規制について、規制が長期にわたった場合、直接的な対抗措置を発動する可能性があると警告した。
日本政府は1日、韓国向け半導体材料の輸出規制を強化すると発表。韓国は世界貿易機関(WTO)に提訴する計画を明らかにしている。
洪企画財政相はラジオで「WTOが結論に至るまでには長い時間がかかるため、日本への対抗措置発動は排除できない」と述べた。
報復が報復を呼ぶ展開となれば「韓国と日本両国経済に不幸なダメージ」を及ぼすことになると指摘した。
また、韓国銀行(中央銀行)の金融政策委員会は金利政策を判断する際に、最近の経済状況の変化を考慮する見込みだと述べた。
日本の措置により輸出のプロセスが数カ月多くかかる可能性があり、サムスン電子やSKハイニックス、LGディスプレーなどの韓国ハイテク大手に打撃となる。
与党「共に民主党」のイ・ヘチャン代表は4日、「この戦いは始まったばかりだ。終わりではない」と述べた。
韓国産業通商資源省のユ・ミョンヒ通商交渉本部長は4日、業界団体の会合で「世界のサプライチェーンを混乱させ、世界経済の大きな不透明要因・脅威となる」と発言した。
サムスンはロイターに対し、生産への影響を最小限に抑える措置を検討していると表明。
関係筋によると、SKハイニックスは2日、顧客に書簡を送り、短期的には対処可能だが、規制が長期化すれば問題になるとの見方を示した。


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