最新記事
日韓関係

韓国政府、日本の輸出規制に対し「直接対抗措置の発動排除せず」

2019年7月4日(木)18時45分
ロイター

韓国の洪楠基・経済副首相兼企画財政相は、日本の輸出規制が長期にわたった場合、直接的な対抗措置を発動する可能性があると警告した。写真は韓国・平沢氏の半導体工場で2008年3月に撮影(2019年 ロイター/Lee Jae Won)

韓国の洪楠基・経済副首相兼企画財政相は4日、日本が同日発動した韓国への半導体材料の輸出規制について、規制が長期にわたった場合、直接的な対抗措置を発動する可能性があると警告した。

日本政府は1日、韓国向け半導体材料の輸出規制を強化すると発表。韓国は世界貿易機関(WTO)に提訴する計画を明らかにしている。

洪企画財政相はラジオで「WTOが結論に至るまでには長い時間がかかるため、日本への対抗措置発動は排除できない」と述べた。

報復が報復を呼ぶ展開となれば「韓国と日本両国経済に不幸なダメージ」を及ぼすことになると指摘した。

また、韓国銀行(中央銀行)の金融政策委員会は金利政策を判断する際に、最近の経済状況の変化を考慮する見込みだと述べた。

日本の措置により輸出のプロセスが数カ月多くかかる可能性があり、サムスン電子やSKハイニックス、LGディスプレーなどの韓国ハイテク大手に打撃となる。

与党「共に民主党」のイ・ヘチャン代表は4日、「この戦いは始まったばかりだ。終わりではない」と述べた。

韓国産業通商資源省のユ・ミョンヒ通商交渉本部長は4日、業界団体の会合で「世界のサプライチェーンを混乱させ、世界経済の大きな不透明要因・脅威となる」と発言した。

サムスンはロイターに対し、生産への影響を最小限に抑える措置を検討していると表明。

関係筋によると、SKハイニックスは2日、顧客に書簡を送り、短期的には対処可能だが、規制が長期化すれば問題になるとの見方を示した。

[ソウル 4日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本人と参政党
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月21日号(10月15日発売)は「日本人と参政党」特集。怒れる日本が生んだ参政党現象の源泉にルポで迫る。[PLUS]神谷宗幣インタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米中貿易摩擦再燃で新たな下振れリスク、利下げ急務に

ビジネス

シカゴ連銀発表の米小売売上高、9月は+0.5% 前

ビジネス

米BofAの7─9月期は増益、投資銀行業務好調で予

ワールド

米韓通商協議に「有意義な進展」、APEC首脳会議前
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に共通する特徴、絶対にしない「15の法則」とは?
  • 4
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 7
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中