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世界経済

「劇的な回復」強気予測の根拠

2009年9月24日(木)14時43分
ロバート・サミュエルソン(本誌コラムニスト)

 アメリカをはじめ世界では景気回復が既に始まっているが、そのスピードは遅く、期待ほど大きくない──今や誰もが諦めに似た気持ちでそう考えている。だが「それは違う」と断言する人物がいる。元IMF主任エコノミストのマイケル・ムッサだ。

 ムッサが注目するのは、景気循環の専門家である故ビクター・ザーノウィッツが唱えた「ザーノウィッツの法則」。大規模な景気後退の後には急速な回復が訪れるという法則だ。

 今回の不況が特大級であることは誰もが認める。それなら劇的な回復があるはずだと、ムッサはみる。彼に言わせれば、消費者も専門家も、景気後退の最中や直後には悲観的になり過ぎる。

 ムッサによれば早期回復を示唆する要因は多い。例えば現在の住宅市場には上昇余地が十分にある。新規住宅の着工戸数は200万戸超から約50万戸に落ち着き、住宅価格はピーク時の約3分の1で下げ止まった。低金利と価格下落で、住宅は数十年来の買い時だ。

 金融部門の完全な回復には数年かかりそうだが、それが経済全体の回復を脅かすとはムッサは思っていない。多くの専門家は、力強い金融部門がなければ経済の回復は見込めないと考える。

 だがムッサの考えはその反対だ。生産や雇用など実体経済の回復が金融部門を復活に導く。大恐慌のときも第二次大戦後もそうだった。

 ムッサの読みが正しいかどうかは、時間が教えてくれるだろう。

[2009年9月30日号掲載]

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