コラム

米大統領選の現実を見よ――その傲慢さゆえ、民主党は敗北した

2024年11月21日(木)16時00分

作家でニューヨーク大学経営大学院教授のスコット・ギャロウェイは、それを最も痛感する者がこの国を最も徹底的に破壊する人物に票を入れる可能性が高いと指摘する。民主党が敗北した大きな理由の1つは、人々が不満を持っているときは常に政権政党に非難が集中するからだ。

26年の中間選挙では「勝算」あり

しかし、もっと大きいのはコカ・コーラに対するペプシのような民主党の「ブランド問題」だ。ペプシは、目隠しをした人々が両方のブランドを試飲したところ、ペプシのほうがおいしいと感じたとアピールする広告で有名だ。有権者の大半は民主党の経済政策のほうがいいと思っていても、経済に関しては共和党の方が信頼度が高い。


今の民主党は労働者を見下すエリートの党だ。アイデンティティー政治(不公正にさらされるジェンダーや人権など特定集団の利益を代弁する政治)をやっていないときは学者や専門職、NPO(非営利組織)関係者以外を嘲笑していると思われている。この事実は民主党ブランドの完全な凋落と、「忘れられた人々」のために戦う党として信頼できない理由を端的に示している。

ハリスは白人有権者の支持で16年のクリントンと20年のバイデン両候補を上回っていた。実際、民主党は10年以降、白人有権者の間で着実に支持を広げている。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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