コラム

歴史的大接戦の米大統領選を左右する7つのファクター

2024年10月31日(木)18時30分

⑤投票後に起こること

波乱の大統領選に関して断言できることが、1つだけある──投票日当日に、勝者は決まらない*。

票の集計に関する規則により、ジョージアやペンシルベニアのような激戦州で勝者が決定するには、最低でも数日を要するだろう。


どちらの候補者も選挙人の過半数を取れなかった場合は、憲法の定めるところにより改選後の下院議会が大統領を選出することになる。

50州の代表が1票ずつ投じ、26票以上を獲得したほうが勝利する。仮に民主党が議員数で過半数を占めたとしても、代表の投票で共和党の優位を崩せる見込みはないと言っていい。

現在共和党は26州、民主党は22州を代表し、両党の議員が同数のため「引き分け」の州が2州ある。予測モデルはこの差が改選後に共和党28州、民主党18州まで開くとしている。これはトランプに有利。

⑥トランプの老化

トランプは現在78歳で、年齢はごまかせない。選挙集会でおかしなダンスを踊り卑猥な冗談を口にし、インタビューを突然打ち切るのを見れば、息切れしているのは明らかだ。

10月下旬には選挙集会で唐突に演説を中断したかと思うと、続く30分間ただ音楽に合わせて体をゆらゆらさせていた。熱烈な支持者もこれには困惑し、ぞっとした表情で様子を見守った。これはハリスに有利。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インドネシア中銀、追加利下げ余地ある=総裁

ビジネス

大・中規模企業の借り入れ需要改善幅、3年ぶり大きさ

ビジネス

NTT、4ー9月期の営業収益が過去最高更新 法人ビ

ビジネス

仏トタルエナジーズCEO、中国需要減速でも原油価格
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story